Step31 ページ34
『…ひゃく……にじゅう……』
「遅い!!」
「ころん、もう少しボリューム下げて」
『えぇっと……せん……』
ただ今、先輩達にしごかれながら、レジ打ちの指導を受けています!内容は、先輩の言った金額を素早く打つ練習!
……最初はね、とっても優しかったの。
「あー、んーとね、も少し早くできる?」
『はい!』
だったのに……
「違う違うっ!!もっと早くっつってんだろ!!」
『は、はいっ!』
豹変(ひょうへん)しすぎでしょ…
もうやだぁー!って心の中で叫びながら今現在も練習中。
『……』
「センパイ、落ち着いて」
『……え?』
「焦って気持ちが乱れたら、暗記なんてできっこないよ」
(えっ?声に出してないのに…)
『…なんで焦ってるって分かったの?』
「そんなん、見てれば分かるよw」
『…そうなんだ』
「だからさ、もっと力抜いてもいいんじゃないかな」
そう言って、優しくぽんぽんと頭を撫でた。
『…力を抜く…か。やってみる』
力を抜いて。焦らないで。
「……おお、結構早くできたじゃん」
『……はぁっ!ありがとうございます!』
「ねぇ、今どういう気持ちでレジ打ってた?」
『……力を抜いて、焦らないで』
「そう。栗原は焦ってばかりっていうか、とにかく早く打とうって気持ちだったからできなかったと思うんよ。でも、今のはよかったよ」
『…はい』
「さとみ君、どぉ?」
「いい」
「いいって栗原!よし、次は接客態度だぁ!」
先輩張り切ってるなぁ…
あ、さとみにお礼言わなきゃだよね!
『さとみ』
「え?」
『さっきは……あり…』
「“ありがとう”?」
『んぁ、うん。え、なんでわかったの?』
「勘だよ。………俺、センパイのそういうとこ好きだよ」
…はっ!?何いきなり!?
チラッと先輩を見ると、スマホをいじりながら待っていた。
『そういうとこって、どこ?』
「“ごめんね”より、“ありがとう”が先に出てるとこ。そういう人、いそうで地味にいないんだよ」
『…あぁ…なるほど?』
さとみの言うことは大体不思議なんだよなぁ〜。変わってるっていうか…
「あーもうやだぁ!!」
『うおっ!先輩どうしました!?』
「もー僕女嫌いになりそう!!」
「なっちゃえなっちゃえ」
『えっ!?』
それは私の立場が困るし、拒まれたらなんかショックなんだけど!?
「まあ、なったとしても栗原は嫌いになんないから」
『…!』
「それ差別じゃね?」
「いいの!早く次の指導するよさとみ君!!」
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七海 - 七海って呼んで☆私、敬語苦wwじゃあ、私もあんりで!ありがと〜! (2020年4月20日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - ろのさん» 夢主ちゃん可愛く出来てますか!?よかったぁ……確かに現実でこんな子、なかなかいませんもんね!(笑) (2020年4月20日 20時) (レス) id: 7624e9c568 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - 七海さん» 七海!でいいんですか!?タメも!?やったぁー!そうします!私のこともあんりって呼んでくれると嬉しい!ありがとう! (2020年4月20日 20時) (レス) id: 7624e9c568 (このIDを非表示/違反報告)
ろの - あんりさん» 主人公ちゃんかわいいですよ!現実にこんなかわいい子いたら付き合いたい(←by女) (2020年4月20日 11時) (レス) id: 5062ea37bc (このIDを非表示/違反報告)
七海 - あと、私の事、七海って呼んでくれていいですよ!あと、タメでいいです!その方が話しやすいだろうしww (2020年4月20日 0時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんり | 作成日時:2020年3月6日 15時