Step28 ページ30
頬をさすりながら店のエプロンにお着替え中。昨日のじくじくが意外と長引いて、夜も悩まされていた。
『まったく……先輩のせいで一睡もできなかっ……たわけでもないけど…』
カラコロ、という音もしなくなった小さな飴を舐めながら、昨日の回想をしていた。
「おはよセンパイ」
『ひゃっ、んがっ!!』
さとみが、後ろから耳元で挨拶を囁いたせいで、飴が……
「ごめ、センパイ!大丈夫?」
『……飴飲んじゃった』
「…マ?」
『……マ』
「マジかよっ!?ちょ、見して」
『はあっ!?まっ、ぁが……』
さとみが無理矢理私の口をこじ開けて、アゴに手を添えてきた。
「息苦しくない?」
『ん』
「呼吸する時、どこも痛くない?」
『ん』
「どれくらいの大きさの飴?」
『極薄の直径2センチくらい』
「……っはあ?」
『ぁが』
パッと添えられている手が離れて、口が自然に閉じた。
「きっしょ、いや、そんなちっぽけな飴なんてすぐ溶けるやろ!なに、呼吸の心配までさせてっ……はぁ」
『おおう、なんかごめん…』
しばらく下を向いてしゃがんでいたさとみが、もう一度ため息をついた。そして、顔をあげて目を合わせると、顔をほころばせた。
「…いいよ。もう、センパイは大袈裟すぎんだよ」
『えへ、はい……でもさ、そんなに心配してくれたの?』
「そりゃ当たり前だろ!死因が喉に飴を詰まらせた、なんてつまんねぇ死因で、しかも容疑者が俺って……最悪だろ!w」
『あは、確かに!』
(ほら、ね?やっぱり優しい。意地悪だけど、生意気だけど、ムカつくけど。優しいんだよなぁ)
「それに」
『ん?』
「センパイが苦しむような事があったら、一番に俺が苦しみから解放してあげたくてさ」
『……っ!なんてイケメン……』
「惚れた?」
『…は?』
「惚れたでしょ〜!」
『惚れるわけないから』
「いや、さっきので惚れない女はいない」
(コイツ……話聞いてんのか!?)
『惚れてないっつってんでしょ!!』
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七海 - 七海って呼んで☆私、敬語苦wwじゃあ、私もあんりで!ありがと〜! (2020年4月20日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - ろのさん» 夢主ちゃん可愛く出来てますか!?よかったぁ……確かに現実でこんな子、なかなかいませんもんね!(笑) (2020年4月20日 20時) (レス) id: 7624e9c568 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - 七海さん» 七海!でいいんですか!?タメも!?やったぁー!そうします!私のこともあんりって呼んでくれると嬉しい!ありがとう! (2020年4月20日 20時) (レス) id: 7624e9c568 (このIDを非表示/違反報告)
ろの - あんりさん» 主人公ちゃんかわいいですよ!現実にこんなかわいい子いたら付き合いたい(←by女) (2020年4月20日 11時) (レス) id: 5062ea37bc (このIDを非表示/違反報告)
七海 - あと、私の事、七海って呼んでくれていいですよ!あと、タメでいいです!その方が話しやすいだろうしww (2020年4月20日 0時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんり | 作成日時:2020年3月6日 15時