32.私は敵だ ページ34
Noside
開始直後、障子が『個性』複製腕で相手の居場所を特定し始める。
これは先程と同じ戦略だ。
「4階の南側、端から2つ目の部屋だ」
「わかった。下がってろ」
そこで轟が個性で建物全体を凍らせる。
ここも先程と同じ。
凍らせた後、轟は外に障子を置いて敵が居るであろう4階の部屋へと足を進める。
が、そこである違和感。
「…凍ってねえ」
敵、立香が居るはずの部屋のみ、凍っていなかった。ここでわかる事はひとつ。
立香には『個性が効かない』
ガチャッと部屋の扉を開けるが、そこにはただ核がぽつんと置かれているだけ。
立香の姿が見当たらない。
「(部屋を間違えた？…いや、あいつの個性でそれは有り得ない。なら…この部屋の何処かに…)」
「考え事なんて余裕だね、轟君」
「！」
突然立香の声が聞こえた。だが、姿は何処にもない。声が聞こえるのに、気配はあるのに、姿が見当たらない。
警戒し始めた轟が辺りを見渡そうと、少し足を進めた。
が、ビュンッと何かが頬を掠めた。
「っ！？」
後ろの床を見るとそのにはひとつの矢が刺さっていた。
なら、今掠めたものは…と考えてぞっとする。
「(藤丸の個性は…無効化と、英雄の武器と身体能力の共有…)」
もう少しズレていたらどうなっていたか。いや、立香はそんな失敗はしない。低確率的行動は行わない。今は敵。最適且つ効率的方法でどう相手を倒すのか考えて動いている。
障子を呼び、体勢を整えようと轟は部屋を出ようとしたが、扉の前に幾つもの矢が飛んで道を塞ぐ。
「…！」
「敵に背を向けたら…終わりだよ？」
振り向くとそこには緑のマントを纏った立香がいた。左瞳は緑で、まるで本当の敵の様な瞳だった。
咄嗟に轟は足先から氷を生み出し、立香を凍らせようとするが氷は立香が触れた先から粉々の塵と化した。
「私の個性は無効化。轟君、効かないの知ってるでしょ？あと、あのもう1人のヒーロー…ごめん、名前まだ覚えてないんだけど動けないと思うよ」
「！…どう言う」
「…そろそろ、かな」
「…？何が……っ！？」
彼女がそう言った瞬間、轟はがくっと地に膝をつけた。
体の力がまるで入らない。
「さっき、矢がほっぺに掠ったでしょ？実はアレに弱ーい毒を塗ってたんだ。大丈夫。本当に弱い奴だし、今だけだから」
失礼しまーすと体を確保テープで巻きつける。因みに外にいる障子も同じ状態だ。
《ヴィ…敵チーム…ＷＩＩＩＮ！！》
「藤丸…お前、何なんだ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セブ推し(プロフ) - サヒアさん» ありがとうございました！ (2018年6月11日 16時) (
レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - セブ推しさん» 藤丸(ふじまる)、立香(りつか)って読みます。説明なくてごめんなさいm(_ _)m (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 珈琲さん» 本当ですね、アホですね私。教えて下さりありがとうございます！最高…！？う、嬉しいです！頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 撫菜兎さん» 完結出来るよう頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し(プロフ) - すみません，質問なんですが主人公の名前はなんと読むのですか？教えて下さい((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘ (2018年6月10日 17時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2018年2月16日 23時
