【番外編】ある日の夢主とクロロ（過去） ページ47
サクヤとクロロがジャポンで出会った頃のお話です。サクヤはクロロを『盗賊さん』と呼んでいます。
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【サクヤside】
うららかに晴れた日。
私は盗賊さんの所へ行き、午後になってから屋敷へ戻った。……案の定、家来や側に仕える女たちに怒られましたが。
長い長いお説教が終わり、私は本を開いて物語などを読んでいた。
そんな静かな午後。
それを壊したのは、切迫した女たちの声だった。
女「おやめください！」
女2「そのようなことを……！」
御簾のかかった縁から聞こえる声に、私は立ち上がり、そこへ行った。
「何事？」
女「姫様、庭にお花を持っていこうとする方が！」
綺麗に花や木が植えられた庭を見やると、下働きの格好をした１人の男が花を掘り返して持っていこうとしている。
いくら女たちが止めても、まぁまぁ、と笑っている。
……女は男より弱い、と言われているこの国。それに花泥棒は罪にならないのだ。
「おやめください。その花は……」
男「まぁまぁ、すぐに終わりますから」
庭に出れば止められるけれど、今は女たちがいる。そんなことをすれば、後でこっぴどく叱られるだろう。
生憎、今は屋敷に男性がいない時間。止められる者は何処にもいない。
掘り返されていく花たちを見ながら、悲しい気持ちでため息をついた。
「仕方ありません。あの男はそのままに−−」
と、言いかけたときだ。
男「っうわ！！」
男の悲鳴が聞こえた。
驚いて振り向くと、そこには男の首根を掴む、背の高い男性の姿があった。
？「止める姫から花を奪うとは、よほど心根が腐っているらしいな」
…………あれ？
男「ひ……」
？「花を置いて、失せろ」
背の高い男性がそう言うと、すぐに男は逃げていった。
それを見送った男性はこちらを向いて膝をついた。
？「差し出がましいことを致し、申し訳ございません」
艶のある黒髪に、怪しく輝く瞳、端正なその顔はやはり−−……
「いいえ。とても助かりました、ありがとう」
？「はい……それでは私はこれにて」
男性は風のようにいなくなってしまった。
……いたずらっぽい笑みを、私に残して。
「盗賊さん！」
クロロ「サクヤ」
次の日に行くと、盗賊さんはいつも通り、木に寄り掛かって本を開いていた。
「……昨日はありがとう」
そう言うと、ちらりと私に目を向けたが、すぐに素知らぬ顔で目をそらしてしまった。
クロロ「何のことかわからないな」
横顔に僅かな微笑みを浮かべていた盗賊さんに、私はにっこりと笑って見せた。
*
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藤原 黎明 - ヴィズさん» めちゃわろてるやんwwww びず姉ありがとう！！wwww (2019年8月15日 23時) (
レス) id: d9b557ad09 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - んふふwww好きぃwww (2019年8月15日 22時) (レス) id: 54e78712b9 (このIDを非表示/違反報告)
藤原黎明 - RTさん» コメント気が付いてませんでした、すみません！ありがとうございます！これからも頑張ります^ ^ (2018年8月31日 17時) (レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
RT - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月10日 14時) (レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
キサキ(プロフ) - メンチはシングルハンターです (2017年12月28日 13時) (レス) id: 3a616b600a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2017年9月30日 23時
