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14.元カレ事件…5 ページ39

『だるまさぁん』

だ「なんやー?」

『湿布貼るの手伝ってぇ…』



 俺のブカブカの服を着たAが風呂から出てきて、濡れた髪のまま申し訳なさそうに今日処方された湿布を持ってきた。

 

だ「ええよ。どこ?」

『ぜんぶ』

だ「ん。じゃあ顔からやな」



 少し甘えたトーンで話しかけてきたので、状況が状況なのにドキッとしてしまう。

 胸まである髪の毛を背中に回し、まず左頬に。
 髪の毛をかきあげて、首に。首には絞められた痣とは別に、噛み付かれたような歯形もあった。



だ「噛まれたん?これ」

『うん。虫以外に噛まれたの初めて。あいつ虫以下』

だ「痛かったなあ」

『跡残ったらほんとにやだぁ…』

だ「うん。ちゃんと貼って治そ」



 次に、脇腹。細い腹にくっきりと残った痣に、ぴったりと湿布を貼った。



『ありがとう』

だ「……俺も風呂入ってくるな!すぐ出るから待っとれ」



 湿布を貼り終えたあと、足早に風呂に向かう。こんなときなのに、Aの身体をみて変な気持ちになった自分が、男すぎて嫌になる。
 
 速攻でシャワーを浴びてリビングに戻ると、Aはスイちゃんを撫でながらぼーっとしていた。



『やっぱり、明日朝イチで鍵屋さん呼びたい。テトが心配』

だ「あ、管理会社電話しといたで。明日9時に鍵開けにくるって」

『え。…もう優しすぎーありがとうほんとに』

だ「今日は疲れたやろし、はやめに寝りや。ベット使ってええからな」

『…寝れるかなぁ』

だ「寝れんかったらそんときは俺が子守唄でも歌ったるわ」

『んふふw下手くそそうw』

だ「ええからはよベットいけ!」

『寝れるまでベットで話そうよー。スマホもないし暇で干からびちゃう』



 またもや甘えたトーンで話すA。そんなん言われたら断れんやん。
 はいはい、と承諾して、ふたりで寝室に向かった。

 Aを布団の中に押し込んで、俺はベッドの上に座る。
 しばらく話をしていたが、やがてAは眠りについた。案外早く寝付いてくれたので安心した。

 寝顔を眺めながら、頬を撫でる。深い眠りについたような寝息に変わったので、俺もリビングのソファーに移動して寝ることにした。


 A、元カレのことずっと悩んでたんかな。俺、割と仲良くしてると思ってたけど、相談相手になるほどでもなかったか。…ほんまに、隣に住んでてよかった。Aを助けられて、よかった。


 今日あった出来事を思い出しながら、俺も眠りについた。

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宇蘭(プロフ) - HRNさん» HRNさん ありがとうございます♪励みになります!更新頑張りますので、もう少々お待ちください♪ (2023年3月14日 19時) (レス) id: ed273fce11 (このIDを非表示/違反報告)
HRN - 本当に共感できる内容で素敵な小説でした❣続き楽しみにしてます! (2023年3月13日 19時) (レス) id: 0ac97815cb (このIDを非表示/違反報告)
宇蘭(プロフ) - マヨネーズさん» マヨネーズさん!こちらこそありがとうございます!!わたしも書きながらキュンキュンしました。wがんばります!! (2023年2月11日 2時) (レス) id: ed273fce11 (このIDを非表示/違反報告)
マヨネーズ(プロフ) - とても好みの小説でめっちゃキュンキュンしました…!素敵な小説をありがとうございます!これからも楽しみにしてます!! (2023年2月9日 23時) (レス) @page49 id: 7e7652eaca (このIDを非表示/違反報告)
宇蘭(プロフ) - 金成さん» ご指摘ありがとうございます。すぐに修正しました。 (2023年2月8日 15時) (レス) id: ed273fce11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇蘭 | 作成日時:2023年2月7日 1時

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