第百九十一話『落チテイタ銃』 ページ34
ミミックの長は
織田作之助と同じ異能力
信じられない答えに辿り着いた芥川は銃弾を避けながら
唇を噛む｡
もし仮に本当にそうであればこちらに勝ち目は無い｡
……しかし抗うことは出来る｡
───なんにしても完璧なものなんてないんだ｡
『……判っている』
織田作の言葉を思い出して目を瞑る｡
先の未来を見る異能力者｡
しかし先と云っても五秒より長く六秒より短い｡
『……一撃に掛けるか』
地面から黒針を出してミミック長に攻撃を仕掛けるが
全て躱される｡
芥川はミミック長の銃弾を避けながら動き回る｡
｢……残念､非常に残念だ｡貴君も乃公の期待する者ではない｣
『……勝手に期待されては困る！！』
芥川は動きを止めて一気に羅生門で襲いかかる｡
しかしミミック長は判っていたという風にそれを易々と避け
芥川の腹に一発撃つ｡
『……ぐっ､僕をここ迄……追い詰める……とは』
｢……羨ましいなマフィアの異能者……その言葉は乃公が
云う筈だった｣
ミミック長は傍に落ちていた銃を拾い芥川の頭に突きつける｡
黒服はトリガーを引こうとするが､芥川に止められる｡
『……答えよ､ミミックの長』
芥川は目を瞑り､血の止まらない腹を押さえながら
静かに云う｡
『マフィアの領地を攻撃する目的は何だ』
｢目的などない｡幽霊は何も望まない｡
望むのは自らの魂の消滅のみ｡
嘗ては“時計塔の騎士”にそれを求めた｡今は貴君らに求める｡
……最期に言い残すことはあるか､黒衣の異能者？｣
云い残すこと？
……そんなの決まっている｡
『────死ね』
────パンッ！
拳銃が地面に落ち､暴発した｡
ミミック長は信じられないといわんばかりに己の右手
……銃を持っていた手を見詰める｡
｢……こ､れ……は？｣
『……如何した？僕を殺すのではなかったのか』
漆黒の瞳がミミック長を捉える｡
狂気じみた芥川の笑みに男は冷や汗を流しながら
口角を上げた｡
『云っておくが､僕は怪我などしていない｡
腹の血も血糊だ｡どこかの変態上司から貰ったものだ｡』
平然とした態度で立ち上がり首を回す｡
『……却説』
ミミック長の左手首と足を縛り膝を付かせた｡
『……それはまぁ簡単に云うと毒だ｡
触れた箇所からじわじわと侵食していく痺れ毒｡
落ちていた銃を拾うからそうなるのだ』
芥川は落ちている銃を見ながら鼻で笑った｡
.
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近（？）20巻発売されましたね！私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます！無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…！ずっとずっと待ってます！ (2021年1月11日 22時) (
レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…！実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今､手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです､申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが､受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…？若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2020年3月16日 21時
