第百七十九話『視界塞ギタックル作戦』 ページ22
店主「咖喱の味はどうだい?」
織「いつも通りだ」
そう答えてふと階段の方を見る。
芥川はこの店に来て早々、店主に軽く頭を下げて階段を駆け上っていってしまった。
可愛い子ども達に早く逢う為だろう。
しかしその数分後、物凄い音がしたが、きっと仲良く遊んでいる事だろうと織田は水を飲んだ。
***
『……お前達の威勢の良さは重々承知だ。
まさか、僕が部屋に入った瞬間、一斉に襲い掛かるとは思わなかったがな』
芥川の目の前には正座をさせられた五人の十に満たない子ども。
クッションやら蒲団やらを投げつけタックルを仕掛けてきやがった奴等に説教中だ。
「あー!絶対にこの作戦はいけると思ったのに!」
「慥か、視界塞ぎタックル作戦」
「誰だよそんなネーミングセンスの欠片のない作戦名を考えたやつ」
「悪いか!」
「お姉ちゃん、強すぎる」
口々に文句を云う、反省の色を見せない彼等に芥川は溜息を吐いた。
皆、自分を慕ってくれているのは嬉しいが最初のこの洗礼はいつもやめて欲しいと云ってあるのだが、やめるどころかグレードアップしている気がする。
『……織田作にも同じことをやるつもりか?』
「おう!今日こそは“参った”って云わせるんだ」
『……否、さすがに無理のような』
「じゃあどうすれば」
『……ふむ、作戦立案か。僕に考えがある』
ニヤリと不敵に笑う芥川に子ども達は喜々として彼女に助言を求めたのだった。
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作戦一、織田作が部屋に来ても急に飛び掛からない
作戦ニ、彼の呼び掛けには一切反応しない
作戦三、一人は二段
作戦四、子どもに気を取られている隙に二段寝台の奴が襲う
作戦五、一人が織田作の右足に飛びつく
作戦六、紐状のもので織田作の足の進行方向に仕掛ける
作戦七、二段寝台に手を付く織田作であろうから予めクレヨンで塗る
作戦八、倒れた織田作を────滅多打ちにする
『……どうだ?』
「……最っ高」
子ども達の中で最年長である少年は満足そうに笑って役割分担をし始めた。
芥川はそっと部屋を出て階段を降りた。
織「……大丈夫だったか」
『……問題ない』
あとは彼が咖喱を食べ終わり、二階の部屋へと行くだけだからな。
上手く作戦が遂行できればいいなと芥川は水を飲んで店主に咖喱を頼んだ。
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第百八十話『今回バカリハ期待大』→←第百七十八話『君モ冷静』
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時