第三十五話【天才ではなく阿呆】 ページ36
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中島敦side
────次の日の朝
「……ん」
頭を撫でられている感覚がして目を覚ます。
まず視線の先にあったのは少し大人びた少女の顔
『やあ、敦君。おはよーう!』
「……えっ。えぇぇぇ!?」
飛び退いて背中を壁に強打したが今はそれどころじゃない。
何故この少女は目の前にいた?
ってあれ?此処は?朝の喇叭は?……あれ?
『随分混乱しているようだね。取り敢えず、そこの服を着てね。
私は外で待ってるから』
有無を云わさずに少女……中里Aは出て行った。
「えっ……と、こんな綺麗な服を着ていいのだろうか」
白いシャツ、黒いネクタイ、サスペンダー付きのズボン
……なんか地味に長いベルト
あたふたしながら着ていた時だ。枕元にあった携帯が鳴った
「ええっ!?どっどの釦を押せば……」
適当に釦を押せば可愛らしい声が聞こえた
『もしもし、敦君。 実は今日は君の為にお仕事を斡旋しようと思うんだ〜』
「えっ?いいんですか!」
『勿論。こんなに優しい少年を放っておくのは胸が痛むもん』
「あ、ありがとうございます!」
なんて優しい人なんだ!と思いながら身支度を整え
素早く彼女と合流して街へ繰り出した
中島敦 side out
***
あと少しで探偵社に着くという時だ
前から見知った二人が歩いてくる
「いた」
「こんな所におったか!ナマケモノ!」
『国木田君と───織田作!おっはよ〜う!』
手を振って彼等の名前を呼ぶ。
相変わらず国木田君は目がつり上がってる。
『ふふっ』
「どうしました?」
『───なんでもないよ。なんか国木田君達、慌ててるね〜』
急いで彼等と合流して、敦君と織田作は自己紹介をした。
いやぁ、この二人は波長が合いそうだね。
「おい中里!そんなことしてる場合じゃない!」
『なあに?国木田君〜どうしたっていうのさ』
「探偵社に爆弾魔が立て篭ったんだ」
「ば、爆弾魔ですか!?」
『それは大変だ!
こうなったら天才的頭脳を持ったこの私が対応しなければ!』
「何が天才だ、ど阿呆」
『国木田君、シャラップ』
辛辣な突っ込みをいれた国木田君を睨んで敦君の手を引く。
『じゃあ敦君、行こうか!
もし君が爆弾魔を撃退したら将来はめっちゃ明るいかもよ!』
「え……えぇぇぇ……」
顔を顰めた彼を無理矢理引っ張ったのだった。
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時