検索窓
今日:10 hit、昨日:42 hit、合計:89,225 hit

第三十三話【月下獣と氷の花】 ページ34

『やあ、虎さん。私を食べに来たの……っと危なっ!』




虎が私に襲いかかってきた。
可笑しいな、この子は人は食べない筈なんだけどなぁ??




『私と遊びたいのは判るよ。でも怪我するのは勘弁』




のらりくらりと逃げていたら壁に追い詰められた。
想定内だからいいのだけども。




『敦君を氷漬けにするのは気が引けるけど今は仕方ない』




尚も虎はグォォォオオオと唸り飛び掛ってくる




『ごめんね、敦君……凍てつけ』




バキンッ!と音がして白虎が氷に覆われた。
その瞬間、虎から敦君に戻った。

……なんとか成功だ




『うーむ、氷だけど冷たくないんだよねぇ。本当に氷?
覆われたことないから判らないんだよね』




氷に触れてみるが全く冷たくない。
異能を解いて敦君を床に寝かせる。
彼を触った時に思ったがやっぱり体は冷たくない。




『不思議だなぁ。何で私の異能は……』



「おい中里!」




出入口から国木田君が登場
ほんっとタイミングいいんだから




『国木田君〜、ほらほら虎を捕らえたよ!』



「その小僧……じゃあそいつが」



『あれ、私のダジャレは無視?……虎の異能者だよ。
敦君は自分が虎だった時の記憶はないだろうけどね』



「全く……毎回毎回、説明が無さすぎる。肝が冷えたぞ」




国木田君は暫く私が渡した紙切れを見てため息をついた。
そして出入口の方を見て云った




「正直お前だけじゃ心配だったから非番の奴らを連れてきた。
皆に酒のツマミでも奢ってやれ」




入口から男女合わせて三人が入ってきた




「なンだ。怪我人はなしかい?つまんないねェ」



与謝野晶子
能力名“君死給勿”





「はっはっは。流石はAだね。まあ僕には及ばないけどね!」



江戸川乱歩
能力名“超推理”





「でもそのヒト、どうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」



宮沢賢治
能力名“雨ニモマケズ”





「どうする中里?一応、区の災害指定猛獣だぞ」



国木田独歩
能力名“独歩吟各”





『ふっふっふっ。実はもう決めちゃってるんだよねえ〜』



中里A
能力名“氷の花”





『うちの社員にする!!』




国木田君の驚いた声が轟いた



これが事の始まり────


怪奇ひしめくこの街で

変人揃いの探偵社で

これより始まる怪奇譚



これが先触れ前兆し────




『……よろしくね、敦君』




中島敦
能力名“月下獣”




.

第三十四話【月夜の街】→←第三十二話【覚えていて】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。