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第三話【自由に外を歩いた日】 ページ4

『……そ……と?』




「漢字や一般常識も理解したから外へ出るのはどうだ?」





福沢さんからの突然の外へ出ようというお誘い
嬉しい、行きたい。自由に歩き回りたい……でも





『ここから出ちゃだめって命令が』




「俺が一緒ならいいと上が認めた」




『いいの?ほんとに!?外……出ていいの?』




「剣術をAに教える条件で、Aを三時間だけ檻の外に出してもいいと」




『けん……じゅ?それやるから!お願い!外行こ!』





そんなの一回教えてもらえばコツを掴んで一発でできるようになる。だから早く外へ……福沢さんとお出かけをしてみたい





『けんじゅ教えて!どうやるの?ねえ、福沢さん!』




「剣術だ。判った、落ち着け。教え……おい、柵が歪んでる……」




『はーやーくー!開けて!外!福沢さんと外!』





ガンガン柵を叩くとぐにゃりと歪んだ

この後すぐに檻から出してもらい、剣術を教えてもらう為、練習場みたいな所に行った





「……じゃあまずはこの刀の遣い方を」




『刀!福沢さんの真似すればいいんだよね!任せて!』





言葉より見た方が早い!という事で、福沢さんは何個もある巻藁の中で一番大きな物の前に立ち構えた





「……いくぞ」





刀の柄を持ち目付きを変えた福沢さんをじっと見る
一秒も掛からないうちに剣を抜き巻藁を切り刻んだのだ





『すごい!』




「……やってみるか」




『やる!これ出来たらお出かけだもんね!』





やる気を十分に福沢さんより小さめの私専用の刀を持つ
私と同じくらいの背丈の巻藁の前に立ち構える

福沢さんのように、素早く、隙も、無駄もなく……一瞬で





「……!」





ザシュッと気持ちの良い音が冷たい空間に消えた
私の目の前には真っ二つの藁





『ふっふっふ!これでいい?』




「……驚いた」




『いい?って聞いてるの!』




「……あ、ああ。良いぞ」





やったー!とはしゃぐ私を福沢さんはまだ渋い顔で見ていた





『ねえねえ!三時間だけでしょ?この剣術を入れての三時間だからもう残り時間ないよ!』




「そう……だな」




『何で残念そうなの』




「……俺の剣術はすぐ真似れたか」




『うん!』




「……そうか」




『私、図書館行きたい!』





福沢さんを引っ張って外へ出た
自由に街を福沢さんと歩けて夢のような時間だった




────初めて自由に……福沢さんと外を歩いた日


.

第四話【お父さんと呼んだ日】→←第二話【名前を与えられた日】



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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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