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第二十九話【四年後】 ページ30

あれから四年の月日が経った。


織田さんはミミック事件の後、種田さんの計らいで地下に二年ほど潜った。
そして入社試験を受け、武装探偵社に入社できた。




『財布よし、ハンカチよし、それと』



「Aー!早く行くよー!」



『はいはい!今行くよー!乱歩君!』




私、中里Aはアルバイトから正社員へとなり、今日も依頼を熟す。




「遅い!」



『大丈夫、急いだって電車は時間通りに』



「今、電車が遅延してるから早く行ってすぐの電車に乗らないと遅刻だよ」



『それを早く云って!?』




荷物を詰めて必要なものを再度確認して乱歩君の元へ駆け寄る。




「行ってくるねー!駄菓子の補充宜しく!」



『皆〜、行ってきまぁす!』




そう叫べば皆が笑顔で送り出してくれる。

武装探偵社はここ数年で人が増え本当に会社らしくなった。




「事件解決したら甘味処でおやつ食べようか」



『わぁい、ならさっさと片付けちゃおうね』




よく晴れた日

私は乱歩君と共に隣町まで電車で向かい、警察でも解らなかった難事件を解決。

それも到着して五分も経たないうちに。




「はっはっはっ!こんなの簡単すぎて欠伸がでる!」



『さすがは乱歩君!世界一の名探偵!』



「……と云いつつ、Aも大方解ってたでしょ?」



『……少しだけだよ』




微笑んでわらび餅を食べる。

太宰君はよく私にわらび餅をくれてたなぁと思い出したと同時にあのミミック事件を思い出す。

……もうあれから四年が経つ。




「時が過ぎるのは早いね」



『本当にねぇ〜ってか私の心読まないでよ』




そういえば四年、太宰君に逢っていない。
マフィアと探偵社が逢うのは本当はいけないが、彼は友人だ。
やはり逢ってたくさん話がしたい。




『……元気かな』



「あの包帯男?そりゃ元気でしょ、生命力が凄まじいもん」



『……あはは』




判りやすく不機嫌になる彼に私は笑った。

それからたくさん話をして甘味処を出る。
相変わらず乱歩君は餅をよく残す。




『お餅ばっかでお腹いっぱい』



「いいでしょ?僕の好きな物とAの好きな物が丁度、一つの料理に入ってるんだからさ!」



『だからって頼みすぎ!善哉いくつ食べたの!?』



「七つ」



『……一つのお椀に大きい餅が二つだから、全部で十四個も私、餅を食べたの?えっ、さすがに食べ過ぎた……』




お腹を押えて顔を顰めると、乱歩君は愉快そうに笑った。



.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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