第二十三話【お前もだ】 ページ24
数発の銃声
窓ガラスの割れる音
何かが凍る音
────パキンッ!!!
一瞬だった。
相手が威嚇の為か窓ガラスを銃で割った。
そこで私は相手を“敵”と見なし、躊躇なく氷漬けにした。
敵は目を見開き驚きの表情でいた。
『……安心しなさい。殺すなんてそんな贅沢な事、しませんよ』
子供達を怖がらせた罪は一生償っても許してやらない。
幸い、子供達とおじさんは奥の部屋で身を潜めている。
怪我はない。
今のうちに織田さんに連絡しようとした時だ。
こちらに向かって急いで走ってくる足音が聞こえた。
出入り口をじっと見据えていると這入って来たのは見慣れた赤髪の彼。
『織田さん!』
「中里!!っ、これは……」
『……襲ってきたので氷漬けに。安心して下さい、子供達とおじさんは無事ですよ』
そう云うと彼は緊張が解けたのか、ゆるゆるとしゃがんだ。
「……お前が来てるから早めに来ようと思って、事務所前に着いたら……銃声と……窓ガラスが割れて……」
『はい』
「よかった……無事で……」
『ふふ、当たり前です。人を救けるのが私の』
「お前もだ、中里」
ピタリと体が止まった。
……あぁ、この人は私の心配もしてくれたのか。
『……とんでもない。心配してくれてありがとうございます』
やはりこの人は優しい。
その後、周囲の確認を念入りにした後に子供達とおじさんの安否を確認した。
「怖かったぁ」
「……ぐすっ」
「べっ別に!こ、怖くなんか……」
涙目の子や困惑している子、強がっている子など様々
そんな中、咲良ちゃんは私にべったりだった。
「……懐かれてるな」
『うーん、昨日一緒に寝たからかなぁ?ねぇ咲良ちゃん〜』
頭を撫でてあげると嬉しそうに抱き着いてくれた。
甘えているのではない、自分を落ち着かせているのだ。
この子の手が震えていたからきっとそう。
『……織田さん、先ずは安全な処へ避難しましょう』
「それがいい。親爺も一緒に来てくれ」
「いいのかい?そうさせてもらった方が有難いけど……」
『当たり前です。もしかしたら貴方も狙われている可能性もありますから』
安心させるように笑ってとある人に電話を掛ける。
その人にお願いすれば子供達とおじさんを匿ってくれるだろう。
『……織田さんも一緒に来てください、宜しいですね?』
織田さんは私の目を見て頷いてくれた。
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時