第二十一話【今日だけ】 ページ22
『初めまして!私は武装探偵社、期待の……』
「今だー!」
『ギャッー!』
その夜、織田さんが書いてくれた地図を見ながら来たのは子供達のいる事務所。
『クッションに洋服に蒲団に……止めないか〜!君達!』
子供達は電話で私が来るのを知っていたらしく扉を開けて自己紹介をしようとした途端、この歓迎だ。
あらゆる物が目の前に飛んできた。
「……そう云いながら全部避けてる……」
「お姉ちゃん……凄い」
「……もしやマフィアの幹部か!」
『だから武装探偵社の未来を担う素晴らしい人材なんだってば〜』
そう云えば“武装探偵社って何?”と皆が首を傾げる。
……うん、まずは知名度をあげなきゃ駄目だなこりゃ
『まぁ?それはさておき。明日は織田さんがこちらに来るそうなのでその時に皆でテレビゲェムが出来るよう、接続をする仕事をしに来ました!』
すると子供達は“ゲェム!”と喜んではしゃぎ回る。
うんうん、可愛い子達だ。
「てか明日、織田作が来るのか!」
「じゃあまた作戦立てないと!」
最年長らしい少年が子供達を集めて何やらコソコソと話し出す。
その間に私はテレビとゲェムの本体の接続を試す。
『……ふむ、案外簡単なのね。ここをこうして……あ、出来た』
意外と簡単だった。そりゃそうだ。その為に説明書がある。
これで出来なかったら会社の方に訴える。
『よぅし、ではセッティング出来たから。私は帰るね〜』
「はぁ!?もう?」
『大丈夫!明日また織田さんと来るから!』
「それにしても早いって!」
「もう少し居ようよ」
「もう帰っちゃうの?」
口々に不満を漏らす五人に私は悩んだ。
しかしもう夜だ。本当ならばもう寝る時間。
『ほらいい子は寝る時間だからね』
「俺たちいい子じゃないもん」
「慥かに」
『こらこら』
蒲団のある部屋に行くよう促していると女の子がそっと寄ってきた。
「……お姉ちゃんも一緒に寝よう?」
『……えっ』
可愛いつぶらな瞳でこちらを見上げる女の子。
可愛い、もう一度云おう、可愛い。
『あ、えっと……でも……私は……』
「……お願い!今日だけ……」
「咲良!我儘云うなよ」
「だって怖い話聞いたら眠れなくなったもん!」
「トイレの花子さんだっけ?」
「やだ!トイレに行けない!」
あぁ、あるあるなやつだ。
私は微笑んで女の子……咲良ちゃんの頭を撫でた。
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時