第十六話【許されない事】 ページ17
『乱歩君』
｢……｣
『……心配掛けてごめんなさい』
晩御飯を食べ終わり素早く風呂に入って只今､乱歩君の前で正座中
因みにお父さんは入浴中
『乱歩君の“気を付けてね”って云った意味は判った｡
ポートマフィアに行くことを乱歩君は知ってたんだね』
｢……｣
『……ほ､ほらっ！乱歩君の好きな駄菓子をたくさん購ってきたよ！それになんと､駄菓子に新作が』
｢いやもういいよ｡駄菓子は要らない｡僕は寝る｣
『……えっ』
あまりに冷たい言葉に目を丸くする
普段､笑顔が絶えない乱歩君が冷めた視線を一瞬だけ向けて去っていく
『ら､乱歩……君？ねぇ……乱』
ピシャッ！と襖を閉められ私の声が届かなくなった｡
何で？今までも悪いことしても説教だけで済んだのに｡
今回の事だってお父さんは許してくれた｡
だから乱歩君は尚更､許してくれると……
『如何……しよ……ぅ』
そうだ､こういう時には晶ちゃんだ｡
今の私に一番必要なことを云ってくれる人！
とても優しい人！治療する時以外はいい人！
『……もしもし？晶ちゃん？ごめんね夜遅くに｡
そっちは大丈夫？楽しい？…………ふふ､善かった』
晶ちゃんは只今､一人旅行中｡
私が晶ちゃんの誕生日に旅行券をプレゼントしたのだ
休んでる中､申し訳ないと思い乍､今回の事を話した
『質問なんだけど､乱歩君がものすごく怒ってるの｡
如何すれば許してくれると思う？』
私の問いに晶ちゃんは｢判らないねェ｣の一点張り｡
何を聞いても流されてしまって頭を抱えた
『……っもう！晶ちゃん真剣に考えてよー！』
｢……よく考えてるさ｡
でもねA､それは自分で考えなくちゃいけないよ｣
『……自分で』
今まで自分で色々考えてやってきたつもりだが､
これは誰の手も借りずに解決しなくてはいけないのか？
判った､と一言云って通話を切る｡
『……晶ちゃんの意地悪｡判らないから電話したんだよぉ』
携帯電話を投げ､その場に踞る｡
後悔の波が押し寄せるがもう遅い｡
『本当にどうしよう』
ポツリと呟いて目を瞑った｡
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい！ (2020年5月26日 21時) (
レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください！！ (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2019年6月21日 18時
