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第十三話【久し振りの再会】 ページ14

「久し振り、A」




『久し振りだね、太宰君。ずっと蹲った状態は辛かったでしょ?』




「その通りだよ。もう腰が痛くて痛くて……A、マッサージしてよ」




『いいよ、ケェキを五十個くれたらね』




「勿論だよ。よし、じゃあ私の執務室に────」





太宰君が手を伸ばした瞬間、森医師の手が素早く動き彼の手を掴んだ





「太宰君?此処にいたのかい?随分と探したものだよ」




『よく云うよ。太宰君をずっと隠してた癖に』




「そーだそーだ、お蔭で自 殺ができなくて発狂しそうだったよ」




「……って、君。私の目を盗んで毒を作ったり、首を吊ろうとしていたじゃないか」





矢っ張りこの人、自 殺ばかりしていたらしい
森医師の言葉に太宰君は知らん顔で自分の手首を掴んだ彼の手を振り解く




「もうバレたから私は帰っていいよね。勿論、Aを連れて」




『……太宰君、私はまだケェキ食べてないけど』




「私がもっと美味しいケェキを食べさせてあげる」




『わーい!じゃあお礼に自 殺方法を探す手伝いをしてあげる』




「本当かい!?」




「待って、二人とも待ちなさい。勝手に話を進めないの」





表情は笑っているが纏う雰囲気は怒りに満ちている森医師を敢えて見ないようにする
太宰君も同じように視線を逸らす





「いいかい?君達が仲睦ましいのは、私にとっても嬉しい限りだよ」




『だろうね。森医師には利益しかないし』




「Aがポートマフィアに来れば何かと都合がいいしね」




「判ったから。一旦、口を閉じなさい二人共」





納得のいかない顔をして、えぇ〜?と文句を云うが森医師の圧に取り敢えず、私も太宰君も黙ることにした





「君たちの事で一つお願いがあるんだ」




『……お願い?』




「特にAちゃん。君の所属は武装探偵社。本当ならば此処へ来ては行けない」




『貴方が呼んだじゃない』



「何かな?」



『リンタロウ!ケェキ食べたい!』



「いいよぉ〜!Aちゃんの好きなミルクレェプがあるよ……ではなくて」





ゴホンッ!と咳払いをして部下に冷ややかな視線を浴びるポートマフィア首領





『……それで?単刀直入に云うと?』




「君が太宰君に逢いたいならば、ポートマフィアに入らないかい?」





矢張り勧誘だった。しかもセコいことに太宰君を出してきたぞこのロリコン


思い切り睨んでやると嬉しそうに笑った森医師だった



.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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