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｢…うるさいね｣
｢またいつもみたいに暴れてんでしょー。今日はうるさくなりそう｣
喧騒から少し離れた──それでも充分に聞こえてくるのだが──場所にあるバーでは、2人の青年が騒音に文句を言いながら開店準備を進めていた。
｢ねぇねぇ涼太、今日のメニューは何？｣
｢スペアリブ｣
｢ガッツリだねぇ｣
｢あんなドンチャカやってたらこれくらいガッツリないと駄目でしょ、あいつら｣
｢確かに。テキーラ多めに出しとくか｣
｢翔太、完全に飲み潰させる気でしょ｣
涼太、と呼ばれた青年は肉塊に下味を着け、翔太、と呼ばれた青年は酒瓶を多めに取り出すとくわぁ、と欠伸をする。
たった2人きりで営むこのバーは、日中は退屈で仕方がない。
きっちり粧し込んだ正装も、片割れが気に入ってやっているだけであってもう傍らは不服そうだ。
しかしそんな中に起こるのが非日常であり。…いいや彼らにとっては日常なのかもしれないが。
地下だからと逃げ込んできた女が開店していない店の中に入ってくる。
｢まだ開店してないんだけど｣
｢いいよ涼太、俺がやっとくから｣
先程まで退屈そうに欠伸をしていた青年は、女に何かを呟くと共に外へと出る。
数分後帰ってきた彼は先程と何も変わらぬように見えたが、傍らは勘づいたらしい。
｢翔太、ズボンの裾に血が着いてる｣
｢げぇ、なんでわかったの｣
｢俺を誰だと思ってるの？｣
｢はいはい双子の傍ら様には勝てません降参｣
｢着替えてきて｣
面倒臭そうに奥に引っ込んだ青年を見送り、暫くまた1人でいるとゾロゾロと見慣れた面子が入ってきた。
｢まだ開店してないんだけど｣
｢そんな辛気臭い事言わんといてや〜｣
｢とりあえず粗方片付けてきたから。ふっか待て勝手に店の物に触んな、おい、翔太はどこ行った｣
｢今着替えてきてもらってる｣
こうなりゃ開店閉店の文字は関係なくなる。
どんちゃん騒ぎの広がる店内に、青年は呆れたように溜息をつきながら店のドアのプレートをひっくり返した。
名前も存在しない、通称｢街｣──これが、彼等の生きる｢日常｣である。
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ch(プロフ) - 湊都様 はじめまして。唐突なコメント失礼致します。本日のmmabラジオを聞いて湊都様の主様と番犬(敬愛心)がまさにそれだと思いこの作品書いてくださったお礼をなんとしてお伝えしなければと馳せ参じました。主様と番犬共大好きです。これからも創作頑張ってください。 (2020年8月27日 23時) (
レス) id: b9b0fe572d (このIDを非表示/違反報告)
皇玲太(プロフ) - 毎度思いますけど、ホント最高です (2020年8月22日 18時) (レス) id: 293e872a7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ - お疲れ様でした！今回も楽しませていただきました！このシリーズたちの文庫版が欲しい…。次回も楽しみにしています！ (2020年8月22日 0時) (レス) id: deb2d46d42 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - ルカさん» ご指摘ありがとうございます！直させて頂きます！ (2020年8月12日 10時) (レス) id: a535406d45 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 【笑みを絶やし続ける】だと【笑っていない状態が続く】ことを意味するのだと思うのですが、、、間違っていたらすみません。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: d9cf94c870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年8月4日 9時
