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***
ガシャーン!
大貴「…っ、た…」
.
ふと、そんな昔のことを思い出していたとき。
気付けば俺は、硬いコンクリートの上に
横たわっていた。
.
大貴「A…っ。」
.
腕の中にいるAはお腹を庇って目は閉じてる。
咄嗟にAの口元に手を当てると、息はある…
轢かれたと思っているのか、
意識を失ってるようだった。
.
涼介「A…っ!」
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背後から山田の声が聞こえてきた。
よろよろと顔を上げれば、もの凄い勢いで
こちらに向かって来ている。
.
大貴「やま、だ…」
涼介「…っ、大ちゃん!Aは!?」
大貴「だいじょうぶ…意識失ってるだけっぽい…」
涼介「そっか、よかった…」
.
身体の力が抜けたのか、
ふにゃふにゃとその場で座り込む山田。
そんな山田に、安心させようと手を上げたとき…
急に右手首に激痛が走った。
.
大貴「…っ!」
涼介「大ちゃん!?」
.
何事かとそこに目を向ければ、
大量の血がそこからとめどなく流れてきている。
.
涼介「え、ちょ…大丈夫!?」
.
それに、さっきから右手の感触が
ほとんどない。
意識も朦朧としてきてるし、
これ、ちょっとヤバいかもしんない…
.
大貴「ごめんやまだ…あとは…」
涼介「おまっ、ふざけんな!あとは、ってなんだよ。
今まで散々Aを泣かせてきて勝手過ぎんだろ!」
.
山田の喝に、思わず笑みが溢れる。
ほんとにそうだ。
“あのとき”だって…
.
「…っ、せんぱい!」
.
あの日。
クリスマスイブ…
気付けば、山田が好きと言ったAを
ベッドに押し倒していた。
***
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愛(プロフ) - おはようございます♪何回見ても泣けるお話です(泣)続編見たいです★楽しみにしてます(•‿•) (6月17日 7時) (レス) @page49 id: 170da3309e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ぱんださん» お返事遅くなりすぎて申し訳ございません…!何度も読み返してくださりありがとうございます。作った者としてこれ以上無い褒め言葉です。マイペース更新になりますがよろしくお願いいたします。 (5月27日 22時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - 私はこの作品のファンとして毎度更新を楽しみにしていました。終盤は涙が止まらなくなることも多く、気づけばこの作品にのめり込み、何度も読み返しています。そして何度読んでも毎度号泣しています。今作も楽しく拝読しています。これからも陰ながら応援しています。 (2023年2月5日 7時) (レス) id: 399b55da19 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - るん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです。ちょうど今新作公開したので、お時間あればお越しください。 (2022年12月31日 18時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
るん。 - 本当に本当に本当にお疲れ様でした。最初から最後までとても楽しく読ませて頂きました。小説の本を読んでるかのように読みやすく感情移入しやすかったです。1番好きな小説です!また新作できた際には拝見させていただきます! (2022年12月18日 11時) (レス) @page49 id: fde368863d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2022年10月8日 0時