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光「もっと甘えていいからね?」
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叱られると思って力を入れていたのに、
告げられたのは、意外過ぎる言葉。
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光「はなちゃんは俺たちの後輩なんだから
先輩である俺たちに甘えるのは当たり前。
何でも一人で頑張ろうとしないこと。」
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私に目線を合わせるように、
優しくそう言った八乙女先輩の言葉に胸が熱くなった。
言葉や表情、雰囲気、そのどれもが優しくて
もしお兄ちゃんがいたら、こんな感じなのかと錯覚してしまいそうだ。
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光「じゃあ俺も伊野ちゃんと待っとくね。
診察結果もちゃんと教えてね。」
「…っ、はい…」
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先輩だからかな。わからないけど…
でも、言葉にできない。
よくわからない気持ちで
私は何だか泣きそうになっていた。
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一人きりの診察室。
そっとお腹に触れて、思わず呟いた。
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「心配しなくて大丈夫だよ。」
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少しの沈黙の後、私は出てきそうだった涙を
グッと堪えた。
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「ちゃんとするから。」
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決めた。
これからは泣かない。
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もう何も怖くなかった。
何よりも大切なものができたから。
もう迷わない。
妥協もしない。
この子を守るためなら、何だってする。
自分が犠牲になっても構わない。
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もう二度と、大貴と会えなくても。
もう二度と、涼介の傍にいられなくても…
この子を護りたいと思った。
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愛(プロフ) - おはようございます♪何回見ても泣けるお話です(泣)続編見たいです★楽しみにしてます(•‿•) (6月17日 7時) (レス) @page49 id: 170da3309e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ぱんださん» お返事遅くなりすぎて申し訳ございません…!何度も読み返してくださりありがとうございます。作った者としてこれ以上無い褒め言葉です。マイペース更新になりますがよろしくお願いいたします。 (5月27日 22時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - 私はこの作品のファンとして毎度更新を楽しみにしていました。終盤は涙が止まらなくなることも多く、気づけばこの作品にのめり込み、何度も読み返しています。そして何度読んでも毎度号泣しています。今作も楽しく拝読しています。これからも陰ながら応援しています。 (2023年2月5日 7時) (レス) id: 399b55da19 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - るん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです。ちょうど今新作公開したので、お時間あればお越しください。 (2022年12月31日 18時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
るん。 - 本当に本当に本当にお疲れ様でした。最初から最後までとても楽しく読ませて頂きました。小説の本を読んでるかのように読みやすく感情移入しやすかったです。1番好きな小説です!また新作できた際には拝見させていただきます! (2022年12月18日 11時) (レス) @page49 id: fde368863d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2022年10月8日 0時