過去を捨てて【中堂系】

不自然２４ ページ33

怒った。確実にあれは数日…いや、
十数日間話してくれないパターンだ。



まずい、これはまずいよ。
仕事に支障を来たす。神倉さんが怒る。



「あああ夕子どうしよう」
夕「中堂班、崩壊の危機だよ！」



夕子と二人で慌てていると

系くんと入れ違いに、六郎がすごく焦った様子で入って来た。



六「さっき中堂さんに会ったんですけど凄く怖かったです！
　何したんですか？！」
夕「中堂さん怖いのいつもじゃん」
六「いや、そうなんですけどいつも以上に…！」



六郎の言葉を聴き終わるより前に、私はオフィスを飛び出した。

系くんの汚名返上のための裁判、
私のせいで壊すわけにはいかない…！！！


今までで一番じゃないかってくらいの速度で走ると、
エレベーター前で待つ系くんを発見した。



速度そのままで後ろから飛びつく。



「系くん！」
中「っ…馬鹿か！危ねえだろ！」



エレベーターのドアにぶつかりそうになりながら、大きい背中で受け止めてくれた。


飛びついたはいいけど、不機嫌そうな系くんを前にすると何も言葉が出てこない。

チラチラとオフィスの方を見ながら「離れろ！」って肩を押してくるから、しぶしぶ離れる。




…追いかけて来たはいいものの、何話したらいいかわかんない。



何を言うべきか悩んでいると、面倒臭そうに頭を掻いた系くんが口を開いた。


中「…俺が喪服しか持ってない事はお前も知ってるだろ」
「…うん」
中「スーツがないからこれで行くしかない」
「知ってる。…大丈夫だよ、おかしい所ない」
中「じゃあ、このまま行く」
「うん、いってらっしゃい。見に行くからね」
中「来なくていい。いや、来るな」



物凄い剣幕で制止してくるから、思わず笑ってしまうと
デコピンされた。痛い。

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