過去を捨てて【中堂系】

不自然１０ ページ12

あれから四時間。
ミコトから指示された場所に来てみると足湯があった。


「あ、お湯の採取に来たの？」
ミ「そう！ここの成分に近かったからさ」


誰か、弾丸慰安旅行か何かかと思ってた私を殴って。




採取したあと周りを歩いてみると
鹿肉のおにぎりが売ってるお店があったり、ちょっと離れたところに冷凍倉庫があったりと
色々とご遺体に沿うものがたくさん出て来た。


「…ビンゴだね」
ミ「いや。ここで凍死したとすると、セキュリティの問題で運ぶのは無理」
「…じゃあどこで？」
ミ「ごめんA、今来た道戻ってもらっていい？気になるものがあった」
「うん、いいよ〜」



ミコトが気になったと言う場所に来てみると、そこには冷凍車があった。
確かに冷凍車なら冷凍倉庫に匹敵する寒さだ。


「これなら凍死させながら運べる…」
ミ「そう。あ、そこの塩採取してもらっていい？」
「了解でーす…って入っていいの！？」


ずかずかと中に入っていくミコトの後を慌ててついていく。

トラック内には様々なものがあった。
でもポツンとある結束バンドはなんか違和感があって。



ミコトはそれを手に取ると、ご遺体の写真と照合する。

ミ「ご遺体の手首に何かが強く擦れたような跡があってね」


そう言って見せてくれた写真にあったのは、結構ひどい傷。


「結束バンドが擦過痕の原因ってこと？」
ミ「そうだと思う」
「とりあえず連絡してみようか、系くん今日残業するって言ってたし」


私込みで、の話だったけど。


電話するためにトラックから出ようとすると、

「えッ！？ちょっと待って！！」


だんだんと閉まっていく扉。
無情にも、目の前で完全に閉まってしまった。

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