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つ ページ2
ー
「まさか、あのむっつりが彼女作るなんてな」
「うん」
「優しそうな子やったな」
「うん」
「俺先越されてもうたわ」
「うん」
「A…？」
「うん」
「話聞いとらんやろ」
「うん」
話聞いて？ とロボロはツッコミを入れた。
私とロボロは今、ゾムと飲んでいた居酒屋を離れ、飲み直しという事で飲食街の隅にある小洒落たBARにいる。
背の高い丸椅子は背丈の低い私達には足が届かなくて、足を空にぶらぶらさせるしか出来ない。
「…あんさん、ゾムの事好きだったんやろ」
「え…？」
マンハッタンとジンライム。何時もは飲まないカクテルをカッコつけて飲んでいた矢先の、突然の質問。
ロボロの方を見ると、彼は目じりを下げた。
「やっとこっち見た」
酒気を帯びたロボロの顔は大人っぽくて色っぽい。
彼は大きい手のひらでグラスを包み、カクテルを口に運んだ。上下する喉仏。幼馴染とはいえ、彼も男だった事を改めて実感した。
「愚痴ってええよ。酒呑んでるから俺もAも明日になれば忘れるで」
「…うん」
私は重い口を開いた。
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