貧血 ページ47
流星side
ほんま情けないことに自分から恭平の所へ面会に行くと言ったは良いものの、面会から帰るあたりから立ちくらみはするしずっと視界がぐるぐるしていて気持ち悪い。
大ちゃんに支えられながら歩いて車に乗り込んで目を閉じるけど、全然寝付ける様子もなければ目眩が収まる気配もない。
結局施設に帰っても夕食は食べられへんままホール内のベッドに横になって、されるがままに足を上げられたり目元にホットタオルを当てられたりする。
「...流星、ちょっと明るくなるで」
しばらくして大ちゃんの優しい声が聞こえたかと思うと、目元にあったホットタオルを取られてホールの明るさに目を細める。
「まだクラクラする？結構時間経っとるから、まだ辛いなら丈くん呼んでくるけど...」
「んーん、平気...少し落ち着いた」
大ちゃんが俺の下瞼を確認しながら聞いてきて、寝ている分には視界は回っとらんくて少し良くなった気がする。
「さっきよりは調子良さそうやね。...お腹空いとらん？夜ご飯取ってあるで」
「...ごめん、いらん」
「今日のご飯シチューやで、少しだけ食べてみぃひん？」
相変わらず全然食べてへんのに食欲が湧かへん俺に、少しでも食べさせたい大ちゃんが困り顔で言ってくるから、その表情に負けて渋々頷く。
「少し身体起こそか」
「...っ、」
シチューを温めて持ってきてくれた大ちゃんに支えられながら起き上がるけど、急に動いたせいか視界がグラッと傾いてそのまま大ちゃんの胸の中に収まる。
「...おっと、大丈夫か？」
「ごめ...ちょっとこのまま...」
目眩が収まるまで大ちゃんの胸を借りて頭を撫でてもらって、少し落ち着いた頃そっと顔を上げる。
「食べる...」
「ん、ゆっくりな」
少し恥ずかしいけど大ちゃんがスプーンで掬ってくれたシチューを口に近づけられて、それと同時に俺も口を開く。
「...どう？食べれそう？」
大ちゃんも俺がそんなに食べへんやろうという予想でマグカップに入るほど少なめにしか盛り付けてこんかったシチューを見つめる。
中には色々な具材が入っとるけど、どれも食べてるところを想像するだけでお腹いっぱいになり首を横に振った。
「ん、そっか。一口だけでも食べてくれてありがとう」
全然感謝される事やないのに、なんなら俺の方が大ちゃんに感謝せなあかんし謝りたいくらいなのに、何も返事ができひん自分が嫌になる。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
