面会 ページ44
流星side
病室に着くと酸素マスクを着けて眠る恭平の姿が目に入って、大ちゃんに背中を支えられながら恭平に近づく。
昨日まで見ていた恭平の苦しそうな表情はそこには無くて、まだ意識が戻っとらんけどちゃんと生きている事を感じられる。
右手からは点滴が伸びていて、酸素マスクや繋がっとる機械も一定の感覚で電子音を鳴らしている。
「流星、ここ座っとき」
恭平を見つめて立ち尽くしていると、大ちゃんに肩をトントンとされて椅子に座らせられる。
「恭平、苦しない？みんな来てくれたで」
大ちゃんが持っていた荷物を置いて、恭平の頭を撫でながら優しく声をかける。
俺も恭平に謝らなあかんし声を掛けたいのに、上手く言葉が出てこぉへんし、恭平に触れることさえ許されへんような気がしてぎゅっと下唇を噛む。
恭平がこうなったのは俺のせいやから...。
やっぱり俺はここに来やん方が良かった？
いや、恭平に謝らなあかんから絶対に居らなあかん？
ｺﾝｺﾝｯ
自分の考えを脳内でぐるぐる巡らせていると、ドアから聞こえたノック音に振り返る。
「失礼します。...あ、西畑さん、いらしてたんですね」
「あ、挨拶遅れてすみません。お世話になってます」
看護師さんが点滴を片手に入ってきて、それを見た大ちゃんが顔を合わせて頭を下げる。
「恭平の様子、どうですか？」
「昨日救急で運ばれて以来目を覚ましてないので...。でも容態は安定してるので今の所大丈夫ですよ。点滴替えますね」
「あ、お願いします...。謙杜とみっちー、こっちおいで」
大ちゃんが謙杜とみっちーに手招きをして俺の近くに来させると、看護師さんが恭平の点滴を替えるのを見つめる。
「今日には目を覚ます予定と先生が仰ってたので、もうそろそろ目が覚めてもいい頃なんですけど...」
点滴を替えてる間、看護師さんがボソッと呟いた言葉に大ちゃんが反応するけど、相変わらず眠ったままの恭平。
「私はこれで失礼します。何かあったら呼んでください」
「はい、ありがとうございます」
病室を出ていった看護師さんに頭を下げる大ちゃんを真似して、俺も軽く会釈をする。
「んっ...恭平起きひんね...」
「せやなぁ...恭平は施設でもお寝坊さんやから...笑」
さっきの看護師さんの言葉を気にしてか、再び恭平のベッドに近づいて恭平を見つめる謙杜。
大ちゃんが気遣ってか少し苦笑いしながら伝えるけど、そんな冗談は今の俺たちに通じなくて、みんなで黙り込んでしまった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
