面会 ページ43
西畑side
「丈くん、行ってくるわ」
はっすんの部屋を少し覗きながら小声で中に居る丈くんに呼びかける。
「おう、頼んだ」
「流星ちょっと貧血気味みたいやから、あんま遅くならんと思うけど」
「了解、行ってらっしゃい」
玄関で待っていた中学生組を連れて車に乗り込み、病院に向かう。
流星が暗い雰囲気纏っているからか、みっちーも謙杜も一言も発さずに静かな車内。
ちらっとバックミラーで流星の様子を見ても、ぼーっと外の景色を眺めていて心配になる。
「よし、着いたで〜」
後部座席に積んでいた恭平の入院セットを下ろすと、我先にと病院に入っていく謙杜とみっちー。
「流星大丈夫？歩けそう？」
「ん...」
施設に居るときは少し辛そうやったけど、今はしっかりとした足取りで歩けてるから大丈夫そう。
「謙杜、そこ右曲がって」
「んっ、はーい」
先を歩く謙杜がみっちーの手を引いて歩いていて、恭平の病室の場所を指示して辿り着く。
ｺﾝｺﾝｯ
「失礼しまーす...」
丈くんに教えてもらった部屋番号を頼りに “ 高橋恭平 ” と書かれたプレートの病室を見つけて、ノックをした後恐る恐るドアを開ける。
昨日救急車に乗った以来に姿を見た恭平は、酸素マスクを着けてられていてまだ意識が戻ってへん様子。
「きょ、へぃ...」
補聴器を着けてへんからいつも以上に不安定な言い方のみっちーの小さな呟きを聞きながら、持っていた荷物を壁際に置く。
「流星、ここ座っとき」
とりあえず流星を座らせようと、端っこに積んであった椅子を人数分取ってベッド周りに適当に並べる。
謙杜とみっちーの立ってる後ろにも椅子を置くけど、恭平の側から離れようとせん様子を見て、俺も恭平に近づく。
「恭平、苦しない？みんな来てくれたで」
恭平の頭を撫でながら、規則正しく曇る酸素マスクと機械の電子音、それに比例して上下する胸がだけが恭平の生きてることを教えてくれる。
救急車で運ばれる前の顔色が悪く浅い呼吸をしていた恭平に比べたら、今は穏やかな顔をして眠っていて安心する。
流星は椅子に座りながら恭平の寝ている姿を下唇を噛みながら見つめていて、悲しそうな悔しそうな顔をしている。
流星は今何を思っとるんやろか...？
今理由を聞いても絶対に口を割ってくれへんやろうから、ほんまに恭平が意識を取り戻すまで分からん事やな...なんて困り果てる。
とりあえず持ってきた恭平の入院バッグを荷解きして、備え付けの棚に閉まっていった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
