食欲 ページ34
大橋side
昨日に続いて自分の体調は相変わらず悪くって、少し気怠い身体を車椅子に預けている。
次々にホールに起きてくる中学生組が挨拶をしてくれて、その時は笑顔で返すんやけど自分でも分かるゆっくりとしか発せへん口調に自分の不調を再確認する。
丈くんたちはキッチンに居るし中学生組も各々過ごしとるから、俺一人の時はより一層の身体の不調を感じて少し苦しくなる。
「よし、食べるで〜」
俺の目の前に用意されたお粥には卵が入っていて、俺が飽きひんように工夫された丈くん特製のお粥に嬉しくなる。
「...どう？食べれる？」
「ん、ｼｭｺｰｯ...美味し...ｼｭｺｰｯ」
丈くんが少しずつスプーンに掬って食べさせてくれるお粥は優しい味付けで、あまり食べられへんかな、と思っとったけどこれならいけそう。
「...流星？」
大ちゃんが流星を呼ぶ声に反応して視線を丈くんの持つお粥から流星に移すと、全くご飯に手をつけてへん。
昨日俺が寝込んどる間に恭平が発作を起こして救急車で運ばれてから、ずっと暗い様子の流星。
大ちゃんに勧められたサラダや味噌汁も、どれも少し手をつけただけで食事を終了してしまった。
「...んぐっ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭｺｰｯ」
「ちょ、大丈夫か？」
流星の様子が気になって丈くんの食べさせてくれるお粥の飲み込むスピードは二の次になっていたら、飲み込むタイミングが合わず噎せてしまった。
「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭｺｰｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ん"っ、ｼｭｺｰｯ」
「大吾、袋持ってきて。吸引の準備も」
「はい」
丈くんが咄嗟に出してくれたお皿の上に口の中に入っていた物や喉の辺りに詰まっている物を一気に吐き出す。
「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭ、ｼｭｺｰｯ...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...」
自力で吐き出すには限界があって、丈くんは俺が吐き出しやすいように身体を起こしてくれとるから、大ちゃんが吸引の管を入れていく。
「大橋、吸引するで」
少しずつ詰まっていた物が取れる感覚があって少しスッキリする。
「...どう？」
「ｼｭｺｰｯ...ん"っ、ｹﾞﾎｯ.......ｼｭｺｰｯ」
大ちゃんに大丈夫って伝えたいんやけど、唸るような声と咳しか出てこんくて貧弱な身体に嫌気がさす。
気がつけばホールに中学生組は居らんくて、嫌なところ見せてもうたな...と反省する。
「大橋、今日は学級お休みしよな」
微熱は続くし噎せるしで、丈くんからの分かりきった今日の予定を決められて素直に頷いた。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
