自責 ページ27
西畑side
マグカップを渡すと目を腫らした流星が俺から離れて、ちびちびとココアを飲み始めた。
「...美味しい？」
そう俺が聞くとコクッと頷くから、そんな姿さえ可愛ええな...なんて今の状況に似つかわしくないことを思ってしまう。
「俺そっちでまだ事務作業やっとるから。何かあったら声掛けてな？」
テーブルを指差しながら、涙が止まって少し落ち着き始めた流星の側から離れる。
パソコンを開いて先程の事務作業の続きをしようかと思うけど、その前に画面上で流星のカルテを開いて今の状況を軽く入力しておく。
「明日、恭平の所行けそう？」
ココアを飲んでいる流星に少し様子を伺うように恭平の名前を出すと、ピクっと体が反応して動きが止まった。
「...行く」
「...ん、わかった。無理せんでええからね」
少し考えとったけど、返ってきた答えはやっぱり恭平想いな返事で少し安心する。
やけど、恭平と会うことでより流星が自分を責めたり弱っていってしまうようなことは避けたいから、念入りに流星に無理はしないと釘をさして、俺自身も逐一心の変化に気づけるようにしとかんと。
「ごちそうさま」
「ん、コップ置いといてええからね」
しばらくお互い無言の時間があって、流星がココアを飲み終わってソファから立ち上がった。
「自分の部屋で寝る？俺と寝てもええよ？」
少し落ち着いた様子の流星やけど、まだまだ心が不安定な状態やから一応聞いてみる。
「大丈夫、一人で寝れる」
「そっか。夜中でもええから、不安なったらいつでも俺んとこおいで」
「...ありがとう。おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
ホールを出ていこうとする流星に声を掛けると、素直にお礼の言葉を言ってくれて少し嬉しくなる。
ホールを出て歯を磨きに向かった流星の足音を聞きながら、パソコンに視線を戻す。
画面に表示されとる時刻は既に日付を越していて、今日はバタバタで俺も疲れとったから早急に仕事を済ませてパソコンを閉じる。
キッチンに向かうと流星が使ったコップだけがぽつんと残されていて、それを手早く洗って他の食器と一緒に置いておいた。
「...ふぁっ」
欠伸を一つ漏らして、2階にある自室に入って寝る準備をする。
明日も平日やから院内学級あるけど、恭平の所行くとなると学生たちもバタバタするから忙しい日になりそうやな...と考えながら眠りについた。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
