自責 ページ26
西畑side
「じゃ、俺先に寝るな。おやすみ」
「ん、おやすみなさい」
学生たちが寝静まり丈くんがはっすんの部屋に行ったのを見届けて、やり損ねていた事務作業を進める。
夕食時から流星が部屋に籠るようになってしまって一緒に部屋におったんやけど、途中で寝息を立て始めたから静かに部屋を後にした。
ちょくちょく様子を見に行ったけどまだ寝てる様子で、このまま明日の朝まで起きひんやろうと思っていたけど、この時間になって流星がホールに降りてきた。
「喉乾いた...」
「そっか。お水でええ？温かいの作ろか？」
すぐにキッチンに向かってコップに水を汲みに行った流星に、少しでも落ち着ける物をと思って提案をする。
「...ココア飲みたい」
「ココアな。今作るから待っとき」
少し考えた後、流星からココアのリクエストを貰って入れ違いにキッチンに入る。
恭平とコンビニに行かせてからというもの、恭平が救急車で運ばれたからってのもあるんやろうけど、ずっと暗い雰囲気を纏っている流星。
元はと言えば俺が流星とコンビニに行く約束をしとったから、俺と行けばコンビニで何か起こっていたとしてもすぐに対処できたし、恭平にも辛い思いをさせなくて済んだ話。
今は流星が自分に責任を感じているけど、どっちかと言えば俺のが責任を感じなあかん。
「...流星？ココア出来たで？」
ココアが出来上がって流星の元に持っていくけど、ソファに小さくなって座って膝に顔を埋めて少し肩を震わしている流星にそっと寄り添う。
「...苦しいやんな？泣いてええよ。大丈夫、大丈夫。」
流星の中で今何を抱えていて、何を消化しきれてへんのか分からんけど、少しでも安心できるように俺の胸に流星の少し小さな体を包み込む。
「...流星が自分を責めることないやん。ほんまなら俺と行く予定やったのに恭平に行かせた俺のが悪いやんか」
少しずつ濡れていく俺の胸元で泣く流星が必死に首を振ってくる。
「俺が悪いねん...」
「...コンビニで何あったか教えてくれへん？俺ら流星のこと助けたいんよ？」
そう言ってもずっと流星は自分を責めることはやめへんし、頑なに理由を話そうとせえへんことに困り果てる。
これは恭平が起きひんと分からん問題やな...なんて、いつになるかも分からへん流星の抱えている荷物の荷降ろしを想像する。
「ココア冷めてまうから...あったかいうちに飲み？」
未だ泣き続ける流星を抱き締めながら、手を伸ばしてテーブルにあるココアを渡した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
