逆看病 ページ3
西畑side
「皿洗わな...」
「ええて俺やるから！」
「あ、洗濯物...」
「んっ、俺がやったる！」
俺が病院から帰ってきてからというもの、やることなすこと全ての仕事を丈くんや手の空いた学生たちに奪われる始末。
“ これくらい出来るからええよ ” と言ったところで、必ず返ってくる言葉は “ 大吾くんは休んでて ” 。
「はぁ...」
痛々しく包帯の巻かれた右手を見て、一つ溜息を漏らす。
こんな何も出来なくなるくらいなら、どうせ捻挫やし病院行かんくても良かった。
「手、痛いっすか？」
「え？」
「溜息ついとったから...」
そう言ってきたのは俺専属のひっつき虫になっとる恭平。
いつの間にか熱も下がってきとるみたいで、俺が動く度に全てサポートする気で見守られ、金魚のフンの如く傍を離れようとしやん。
「いや、こんな仕事も出来へんで...俺何やってんやろな...」
「そうなったのは俺のせいです、ごめんなさい」
「いや、なんでそうなるんよ...」
何を言っても返事が謝罪になってる恭平の “ ごめんなさい ” は、もう耳にタコができるほど聞いた。
恭平が俺の動きに合わせて立ったり座ったり、施設内を歩き回ったりしとるから、恭平からするといつもより運動量が多くなる。
昨日の今日で出掛けた疲れもあるし、まだ微熱の残る恭平には休んでて欲しいんやけど、その言葉も聞かずにずっと俺の隣に居る恭平。
「大吾〜、恭平に熱測らせて」
「あ、はーい」
キッチンで皿洗いをしている丈くんからやっと仕事を与えられて、体温計を取りに立つ。
「大吾くん、ええです！俺自分で測れるんで」
それさえも恭平に押さえつけられて、結局圧力に負けて一人で体温を測っている。
「丈くん、なんか仕事ください。俺なんもやってへん」
「...まぁそういう日もあってええんやない？」
「良くない」
ふと目に入った俺が留守の間に届いたであろう食材の入った箱を見つけて、おもむろにソファから立ち上がる。
「ちょ、大吾くん何するんすか」
「食べ物冷蔵庫に入れな。いずれやらなあかんなら今やっとく」
「大吾、それ重いから手に負担かかるて」
体温を測ってる恭平はその場から動けず、俺を手伝いたいんやろうけど出来ひんくてあたふたしとるし、口頭で静止を図る丈くんの言葉も無視して段ボールを持ち上げようとする。
「...痛っ、」
「ほら、言わんこっちゃない」
案の定俺の右手首は重さに耐えきれず、鈍痛に負けて段ボールを持ち上げることさえ出来へん。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
