自責 ページ18
流星side
「恭平優しいから...俺に付き合ってくれただけやねん...。俺がちゃんとしとったら...」
「流星、今はええから」
大ちゃんにホールに戻っててと言われた後、一人になりたくて自室に籠ってたら大ちゃんが呼びにきてくれて、一緒にホールに戻って来た。
何度考えても俺の元クラスメイトとの一件が無ければ、恭平はこんな大事にならずに済んだとしか思えへんくて自分を責める。
大ちゃんから聞いた話によれば、恭平はまだ処置中らしくて危険な状態であることに変わりない。
そんな時に俺は恭平の近くにも居らんし、自分を責めることしか出来へんから余計自分に腹が立つ。
「...あ、丈くんや」
急にスマホを取り出したかと思えば丈くんから連絡があったらしく、思わず目線を上げて大ちゃんのスマホを見つめる。
「恭平今処置終わったって。病棟の方に移ったから面会できるらしいけど、今日はもう時間ギリギリやから明日行こか」
大ちゃんの呼び掛けに、謙杜とみっちーが間髪入れずに頷き返す。
「丈くんも、もうそろそろ帰ってくるやろうし、ご飯作るから待っとってな」
そう言ってキッチンに向かった大ちゃんを横目に、惰性でテレビをぼーっと見つめる。
「......く、...せいくん、流星くん！」
「...ぁ、え？何？」
「何回も呼んどるのに気づかんから...んっ」
「あ...ごめ...」
テレビを見ていると突然視界に手が入ってきて横を向くと、いつの間にか隣に座ってきていた謙杜と目が合う。
「...んっ、大丈夫？」
「...大丈夫やで」
きっと俺の事を心配して聞いてくれてるんやろうけど、恭平が入院になって大変な状況になってる以上、気持ちに蓋をすると決めた。
「でも流星くん、んっ...いつもと雰囲気ちゃうやん...んっ」
「当たり前やん。さっきまで一緒に居った恭平が倒れて救急車で運ばれて...」
「んっ、せやんな...ごめん...んっ」
明らかに普段とは打って変わって暗い雰囲気を漂わせとるのは自分でも分かる。
別に謙杜を傷つけたい訳ちゃうのに、つい口調が厳しくなってしまって心配してくれた謙杜の優しさを仇で返してしまった。
「...はぁ」
「ごめん...んっ、迷惑やったよな...」
恭平のことも今の謙杜への対応も自分のことも全部考え始めたら深入りしてしまって大きな溜息をつくと、謙杜が謝ってきて必死で首を振る。
「謙杜のせいやない、ごめん。...俺が全部悪いねん」
結局辿り着くのは “ 俺が悪い ” しか思いつかんくて、膝に顔を埋めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
