付き添い ページ11
恭平side
「ぁ、大ちゃんに電話せな...」
しばらくお互い無言の時間が続いて、俺の呼吸が整うまで背中を摩ってくれる流星くんが、急に思いついたようにスマホを取り出した。
「...ﾊｧｯ、ええから...ﾊｧ、少し休めば...ﾊｧ、大丈夫...ｹﾎｯ...」
今大吾くんに電話したところで大橋くんの看病があるから外には来れへんやろうし、このくらいの発作なら歩いて帰れると思って流星くんの電話をかける手を阻止する。
「でも...」
「ｹﾎｯｹﾎｯ...、ええから...ﾊｧ、」
「...分かった」
そういうと何かを察してくれたのか素直にスマホをしまって、また背中を摩ってくれた。
「...ﾊｧ、もう行ける...。ごめ、流星くん...ｹﾎｯ...」
このままここに居っても埒が明かんと思って、流星くんに声をかけて一緒に立ち上がる。
「流星くん...ﾊｧｯ、歩ける...？」
「俺は大丈夫やけど...恭平のが...」
「俺は...ｹﾎｯ、大丈夫やから...ｹﾎｯｹﾎｯ...」
そう言って歩き出すけど、一歩踏み出す度に振動で痛む胸と苦しくなってきた呼吸を我慢しながらゆっくりと施設へ戻る道を歩いていく。
「...っ、！ﾊｧｯ...りゅせ...ﾊｧｯ、ちょっと...ｹﾎｯ、待って...、ﾊｧｯ」
しばらく歩いてもうすぐ施設に着くって所で、急にズキっと今日一番の胸痛が襲ってきてその場にしゃがみ込む。
「ちょ、恭平！？大丈夫！？」
「ｹﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾋｭｯ、ｹﾎｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾋｭｯ...」
いつの間にか咳が止まらんし喘鳴も聞こえて、また発作起きとるやん...って回らん頭で考える。
吸入器は一回分しか持ってきとらんし呼吸もまともに出来へんけど、今は施設に帰るしか俺の発作を落ち着かせる選択肢はない。
「この距離なら大ちゃんも来れるんじゃ...」
「ﾋｭｯ、ｹﾎｯｹﾞﾎｯ...えぇ...ﾋｭｯ、帰れる...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」
流星くんが近くに見えてきている施設から大吾くんを呼ぼうと促すけど、頑なに拒んで苦しい身体を無理やり立たせて歩く。
「もうちょっとやから...もう少し頑張ってな...」
流星くんに声をかけて支えてもらいながら、一歩一歩ゆっくりと塀伝いに施設を目指して歩く。
「ただいまっ...」
「ﾊｧｯ、ﾋｭｯ...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ...！」
結局流星くんに支えてもらって、施設に着いた瞬間玄関に倒れ込む。
「大ちゃん呼んでくる...！」
靴を脱いですぐに流星くんが大吾くんを呼びに行ったのを最後に、俺は床に横たわったまま意識を飛ばした。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
