9:第1回トラウマ上映 ページ9
次の日。
目が覚めると、目の前にテレビがあった。
アナウンスが流れる。
『みんな〜急でごめんネ、今からトラウマの上映を始めるから、テレビから離れて見てネ☆』
セイヴァーが説明を終えると同時にテレビが付いた。
わたしは漫画家を目指していた。
小さい頃から絵を描く事が好きで、学校でも絵を描いていた。
とある日。
わたしとは正反対のタイプの華やかな女子生徒が、わたしの絵を見た。
『へ〜!○○ちゃん絵上手なんだ〜!』
褒めてくれた。
素直に嬉しい。
『でも、なんか足りないんだよなぁ〜』
自分の絵に納得していなかったわたしはダメな所を教えて貰おうとした、すると。
女子生徒は、絵をカッターナイフで
切り裂いた。
ただの紙切れになった頃、それはわたしに投げ付けられた。
キャラクターの目の一部が泣いている。
わたしの全てが原型を留めず消えた。
涙も流れないくらいに苦しかった。
『あははははは!これで良くなったじゃん!』
女子生徒は大声で笑いながら教室を出ていった。
それからのわたしは“まねっこ”ばかり。
また消されるなら……と。
自らが白紙から産み出すもの。
もしかしたらわたしは、それに愛情を注ぎ過ぎていたのかもしれない。
まねっこなら、それほど愛情は込めなかった。
いや、
込められなかった。
どうも輝きが鈍くて、キャラクターから
『まねっこ』
『パクリ』
『著作権の侵害』
そう、囁き続けられた。
それでもわたしはオリジナルを作る事が怖く。
二次創作をネットに上げたら、思ったほか、評判が良かった。
でも、結局はパクリなんだ。
他の作品の力も借りなきゃ話を作る事も出来ないのかよ。
まねっこが注目されても、わたしはまったく嬉しくなく、感情はぴくりとも動かず。
いや、まねっこをしてしまった恐怖と、罪悪感に襲われ。
わたしはそれを、削除した。
原型にも、記憶にも、内容はほとんど残らなかった。
悲しむ人がいた。
それはわたしも同じだった。
オリジナル程はいかなくとも、わたしはまねっこの作品を愛していたのだ。
失って、初めて気付く。
それでも、わたしは様々な物から解放されたのだ。
やっと自由なのだ。
だが、数秒と経たないうちに気付く。
まだわたしを縛り付けている物があるじゃないか。
あの頃の
わたしに想像する事と白紙を産み出す事への恐怖だった。
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ロリコンサンダー - アエルさん» ええ、とてもイケメンなので(?) お楽しみに!! (2019年9月12日 17時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
アエル - ロリコンサンダーさんの好きな御門兄妹が気になる!? (2019年8月28日 21時) (レス) id: b84ab15f5b (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - ぜにがみさん» ありがとうございます!決してふざけてはいませんよ〜?(棒)頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します!! (2019年7月23日 18時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - こっちにも来ちゃいました((めっちゃ続き気になります。忙しいと思いますが、更新頑張ってくださいね。それと、キーワードが面白いですねwそれでは。 (2019年7月23日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - じゃんさん» ありがとうございます!楽しみに応えられるように努力します!! (2019年7月22日 13時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
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