【オリジナル】トラウマ克服幸福ゲーム

1:帰り道 ページ1

空に、一番星が瞬いた。
手を伸ばしたって、届く事は無い。

公園のベンチに座っていると、冷たい風が頬を優しく撫でて行く。

「今日……遅いなぁ」

あ、自己紹介を忘れていました！
初めまして、蒼風 瑠衣です。

……土が擦れる音が聞こえた。
ふと、無意識に視線を向けると

「遅くなってごめんね、まだいたんだ」

「お姉ちゃん！！」

そう、僕が待っていたのはお姉ちゃん。
蒼風 凛。
ダンサーをしている、結構有名人。

でもいつも帰りは遅い。
だから僕は心配して、学校帰りに何時間か公園で時間を潰し、毎日一緒に帰っている。

「ほら、行くよ」

お姉ちゃんに手を引っ張られ、立ち上がると歩き始めた。

「今日もお疲れ様、どうだった？」

さっきコンビニで買って来たお水を手渡す。
お姉ちゃんはちょっと笑った。
左目に掛かった僕と同じ色の髪が揺れる。

だが、その下は見えなかった。
いや、見えない方が良いだろう。


………多分。

家が近くなって来る。

「今日、何食べたい？」

「ん〜……肉じゃがとか？」

するとお姉ちゃんは溜め息を吐きながら髪を掻いた。

「僕も手伝うから！もうお腹ペコペコだよ〜」

そんな事を話しながら、家が見えて来た頃。


視界が、暗闇に包まれる。
誰かに目を覆われている。

どれだけ暴れても、それは離れない。


でも、微かに、声が聞こえた。






『………悪魔め』

2:目覚め→

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