検索窓
今日:35 hit、昨日:15 hit、合計:159,522 hit

6 ページ7

(hidaka-side)


そもそも詩のソロ活動は、自分が思うものを自由に作っていくスタイルで、今までリクエストを受け付けてはいなかった。



それが、今回はテーマが定められていて。



失恋……はイマイチ分からないところもあるけれど、家族をテーマに書くのは詩には少し大変なんじゃないだろうか。



詳しくは聞いてないものの、詩の家庭事情は色々と複雑だ。



──まあ、それが上野くんらしいというか何というか…



悪気はないのだろうから、何とも言えない。





「今まで手を出してこなかった分野だから、頑張って挑戦しないとね」



まあ、肝心の詩が結構乗り気なのだから大丈夫だろうと。



これまでの経験上から考えても、あまり心配してはいない。







日「そういえば最近どうなの?」


「え?」


日「西島」



それだけで意味を察したらしい詩は、気まずそうに目を伏せる。




「最近、会えてないから」



メンバーにすら、今だっちゃんに会ったのが久々だよ、と。



言われてみて、嗚呼と頷く。




日「オフで会ったりとかしないの?」



西島の事だから、1度開き直ってしまえば、どんどんアプローチをかけていくものだと思っていただけに、そう聞くと。




「何度か誘ってくれてはいるんだけど、なかなか合わなくて…」


日「ふーん」



申し訳なさそうに眉尻を下げた詩。




──進展がない原因は、こっちにあるみたいだな



見ている限りだけど、詩だって西島に対して悪い印象は持っていない。



寧ろ、グループの仕事の時にいつでも2人揃って楽しげに話している姿は、お似合いなもので。





日「詩、あんま頑なになっても良いことないと思うよ」



詩としては、西島とメンバー以上の関係に踏み込むことに、どうしても理性がストップをかけるのかもしれない。



だけど、俺は西島がずっと詩に想いを寄せてきた事も知ってるから。



日「別に絶対ってわけじゃないけど、1回真剣に考えてみるのも手だとは思う」



ほんの少し、あいつに塩を送ってやりたいなんて。





「……そう、だね」



いつもの詩らしい、控えめな笑みを見て。



詩が裏で考えていた事に、この時の俺は気付かなかった。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
244人がお気に入り
設定タグ:AAA , メン入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年3月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。