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(hidaka-side)
そもそも詩のソロ活動は、自分が思うものを自由に作っていくスタイルで、今までリクエストを受け付けてはいなかった。
それが、今回はテーマが定められていて。
失恋……はイマイチ分からないところもあるけれど、家族をテーマに書くのは詩には少し大変なんじゃないだろうか。
詳しくは聞いてないものの、詩の家庭事情は色々と複雑だ。
──まあ、それが上野くんらしいというか何というか…
悪気はないのだろうから、何とも言えない。
「今まで手を出してこなかった分野だから、頑張って挑戦しないとね」
まあ、肝心の詩が結構乗り気なのだから大丈夫だろうと。
これまでの経験上から考えても、あまり心配してはいない。
日「そういえば最近どうなの?」
「え?」
日「西島」
それだけで意味を察したらしい詩は、気まずそうに目を伏せる。
「最近、会えてないから」
メンバーにすら、今だっちゃんに会ったのが久々だよ、と。
言われてみて、嗚呼と頷く。
日「オフで会ったりとかしないの?」
西島の事だから、1度開き直ってしまえば、どんどんアプローチをかけていくものだと思っていただけに、そう聞くと。
「何度か誘ってくれてはいるんだけど、なかなか合わなくて…」
日「ふーん」
申し訳なさそうに眉尻を下げた詩。
──進展がない原因は、こっちにあるみたいだな
見ている限りだけど、詩だって西島に対して悪い印象は持っていない。
寧ろ、グループの仕事の時にいつでも2人揃って楽しげに話している姿は、お似合いなもので。
日「詩、あんま頑なになっても良いことないと思うよ」
詩としては、西島とメンバー以上の関係に踏み込むことに、どうしても理性がストップをかけるのかもしれない。
だけど、俺は西島がずっと詩に想いを寄せてきた事も知ってるから。
日「別に絶対ってわけじゃないけど、1回真剣に考えてみるのも手だとは思う」
ほんの少し、あいつに塩を送ってやりたいなんて。
「……そう、だね」
いつもの詩らしい、控えめな笑みを見て。
詩が裏で考えていた事に、この時の俺は気付かなかった。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2019年3月24日 19時