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(nishijima-side)
グループに加入して居場所を求めてた頃。
コーラスという自分の役割を定めた頃。
ソロとして活躍を始めた頃。
重ねた年月分、詩は一歩一歩確実に成長していって。
本来の性格は控えめで、謙虚なくせに。いつだって自分の力で乗り越えてきた。
西「あの諦めない、努力する力は……口にすれば簡単だけど、誰にでもできることじゃない」
ただ、目的に向かって真っ直ぐに。
それがどんなに厳しい道のりでも。どんなにゆっくりでも、足は止めない。
詩だって当然人間だから、迷うことはある。
だけど決して、芯は変わらなくて。
西「それができる詩を、俺は尊敬しています」
メンバーとして、人として。
憧れるその姿。
西「……でも、アイツの頑張りは……時々自分の事を考えない危うさもあって、」
限界ギリギリ……否、限界を超えるまで止まらない。
その自棄を含んだ努力は、時に……詩自身では抱えきれないものになる。
西「だから、放っておけないんです」
手を伸ばしたくなる。
大事だから。
好きだから。
西「詩が真っ直ぐに走り続けるんなら……途中にある障害物を退けるのは、俺でありたい」
──それが例え、
──俺の気持ちだとしても
西「その為なら、何だってします」
俺の言葉を聞いた綾瀬さんは。
千「貴方はきっと…………とんでもなく不器用な人なのね?」
否定できないその言葉に、苦笑を返す。
千「……貴方みたいな人が側にいてくれるなら、安心だわ」
西「え、と…」
千「詩ちゃんの事、これからも守ってあげてね」
それと、と。
俺を見つめる綾瀬さんが柔らかく微笑む。
千「貴方の言葉がなければ、私は今日此処に来ることもなかった…………本当に、ありがとう」
──何て、綺麗に笑う人なんだろう
素直にそう思った。
それと同時に。
この人は、やっぱり詩の母親なんだと実感した。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2019年3月24日 19時