検索窓
今日:37 hit、昨日:15 hit、合計:159,524 hit

36 ページ37

(you-side)


嬉しかったこと、悲しかったこと、寂しかったこと、幸せだったこと。



来てくれた人達に。



すべて、すべて伝われと。



ただ、それだけを想って歌う。









‘’夕闇が広がる真っ直ぐな道を私一人

帰る場所もなく何処までも歩き続ける


ただ笑い合いたいだけだった

いつだって側にいてほしくて

届かない望みだけ抱いて 言葉が消えてく


帰ろうよ ささやかでいい

当たり前の愛しさだから

帰りたい 誰もいない夜は寂しすぎて


穏やかな朝日広がるこの世界もう

見飽きたよ 帰るべき場所はどこにあるかな


壊したのは自分だったのに

残ったものは何もなくて

届かない望みはたった一つ 手離した欠片


帰りたい 永久(トワ)じゃなくても

一瞬ですらとても愛しくて

帰ろうよ 誰もいない部屋は広すぎて


いつしか焦がれていた願いも

色褪せてしまうものだけど

いつかまた暖かいあの場所で出会えますように


帰ろうよ 日々を重ねた分だけ空白はあるけれど

帰りたい 昔手を繋いだ当たり前の日々に

帰れるよ 一度は捨てた暖かい場所に何度でも

帰ろうよ ほら目の前にある私達のhome‘’









.









「今日は本当にありがとうございました!!」



その後、最後の曲も終わって。



深々と頭を下げて私は、ゆっくりと客席を見回した。



「昔からずっとずっと私は音楽バカで、これからもそれは変わらないと思うけど、」


「これからも皆さんに少しでも楽しんでもらえるような、皆さんの心に小さな影響を与えられるような、そんな音楽をつくっていきたいと思います」



「グループでも、ソロでもその気持ちは変わらないので」



「また会いに来てください!!」



もう一度頭を下げて。



沢山の拍手と歓声に少しでも応えるように、私は笑顔で手を振った。





「みんな、またね!!」





──嗚呼、私は……ライブが大好きだ









ス「お疲れさまです!」


「お疲れさまです!」




控え室まで戻ってきた私は、椅子に座り込んで深く息を吐き出す。



莉「お疲れ様でした」


「莉子さん、」



莉子さんから水を受け取って、脱力しながら笑みを浮かべる。



「また、ライブしたいです」


莉「今終わったばかりですよ……すぐできます。今度はグループで」


「ふふ、」



その後、バタバタと出ていった莉子さんを見送って、私は一人ペットボトルを額に当てながら目を閉じたのだった。

37→←35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
244人がお気に入り
設定タグ:AAA , メン入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年3月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。