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(you-side)
「新曲、もう一回通していいですか?」
ス「分かりました」
ソロツアーもいよいよ次が最終公演。
以前まで色々と追い詰められていたのが嘘みたいに、充実した毎日が過ぎていく。
勿論真鍋さんとの事に決着がついたというのも1つの要因なんだろうけど。
莉「ほら上野くん。ボサッとしてないでタオル持ってきてください!」
上「は、はい!」
ずっと入院していた莉子さんが、戻ってきてくれた。
臨時マネージャーだった上野くんもそのまま私のソロのスタッフに加わってくれて。
今、凄く充実してると自分でも感じてる。
ス「綾瀬さん、何か気になる点ありますか?」
「大丈夫です!バッチリ!」
このソロ公演を通して分かったこと。
今までグループで、皆で担ってきたものを、私が1人で代表するということ。
皆の士気を率先して上げていくことも。
細かい部分に気付いて指摘していくのも。
コンセプトを考えていくのも。
スタッフさん達に気遣うのも。
ファンの皆を意識するのも。
今までは8人でやってきたことを、1人でやるというのは、やっぱりプレッシャーも大きくて。
だけどその分、色んな人達に助けられてきたのもまた事実。
「今日まで本当にありがとうございました!明日でラストです!明日も最高の1日にしましょう!よろしくお願いします!!」
「「「よろしくお願いします!!」」」
チーム全員で円陣を組んで。
明日に備えて、その日はそれで解散。
莉「綾瀬さん、帰りましょう」
「はい……じゃあお疲れさまです!」
最後に声を掛ければ、あちこちから返事を返してくれる。
それにまた笑顔になって、莉子さんと一緒に駐車場へ向かった時。
.
「……!」
莉「っ貴方、どうやって此処へ!?」
莉子さんの車の前で待ち構えていたのは。
裕「綾瀬ちゃん」
接近禁止の命令が警察から出されているはずの真鍋さんだった。
裕「綾瀬ちゃん……君は、本当に残酷だね」
莉「何をのうのうと……貴方の自業自得でしょう!?」
裕「俺は今、綾瀬ちゃんと喋ってるんだよ」
ドクドクと心臓が鳴るペースが早まっていく。
──怖い、
手足の先が冷えて、口が渇く。
震える右の指先で、左手首を無意識に掴んだとき。
「……、」
触れたのは、いつもつけている8色のミサンガだった。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2019年3月24日 19時