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(ito-side)
夜の8時を過ぎた頃。
メンバー全員に、突然にっしーから呼び出しがかかって。
しかも場所は何故か詩の家で。
何だかんだ皆夜は空いていて、折角だからと宇野ちゃんと晩御飯の材料を途中で買って。
詩の家で聞かされたのは、思いもよらぬ話だった。
宇「何これ……っ!」
詩の携帯を持ったまま宇野ちゃんが震える。
末「ストーカー、だな…」
與「始めから怪しいと思ってたんや……何でもっとはよ言わんかったん?」
「……ごめんなさい」
日「詩も怖かったんだよな」
ヨシヨシとだっちゃんが詩の頭を撫でる横で、リーダーが呟いた。
浦「しかも莉子ちゃんが怪我した事故の犯人がこの男だったって……もうこれは黙ってるわけにはいかないでしょ」
西「勿論警察には言う。でも……事故に関しては証拠がない」
にっしーの言う通りだった。
詩への嫌がらせについては、ゴミ箱に入ったまま、まだ捨てられてはいなかった大量の盗撮写真と、携帯に残ってるメール達が証拠と呼べるかもしれない。
だけど、事故として処理されているものを覆す事が難しいっていうのは私にも分かる。
「「「……」」」
沈黙が続くなか。
「自白、してもらったら証拠になるよね…」
詩がその静寂を破った。
日「どういう事?」
「私が囮になって誘導して…事故について話すように仕向けて、それを録音したら…」
西「ダメだ!」
にっしーが割り込むと、詩の肩を掴む。
西「もう会っちゃダメ。2人きりなんて尚更許せないから」
宇「うん……危険すぎるよ…」
浦「俺は事故の事は許せないけど、正直詩にそこまでリスクを犯してほしくない」
「でも、それじゃあ真実は隠されたままになるよ」
そう言う詩の表情は。
『全部、全部壊れたって構わないって。心の何処かで思ってた』
『今でも時々、不意にそう思う事がある』
以前詩が歌えなくなった時。2人で話したあの時に感じた‘詩の危うさ’を思い出した。
伊「確かに真実は大事だと思う」
口を開くと、皆の視線を感じて。
伊「でも、詩が犠牲になるのはもっと嫌だな」
詩の眼差しを真正面から見つめた。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2019年3月24日 19時