【rtrt】夢小説みたいな恋がしたくて夢小説書いていたけれどそれが現実になったら正直たまったモンじゃない《 完結 》

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駅に着いたのは25時を大幅に過ぎた頃、今日も変わらず終電で駅の外は静かに街頭の光が帰路を導いていた。鼻や頬をかすめる風が冷たく思わず息を吐き出すと真っ白になる

ただ、いつもと違うのは呑気に笑っているレトさんが隣にいること

偶然会うだけでもだいぶ現実味ないのにこんな普通に居られるとむしろ私が異常なのかと思い始めてくる



｢やあ〜！ごめんなあ！すっかり寝てたわあ！｣
｢本当ですよ……｣
｢ごめんて！あったかいコーヒー奢るから！ついでにお菓子もつけたる！｣



ええ……と困惑する私を他所にレトさんはまた私の手を強引に引きコンビニに入っていく

まだ酔いが抜けてないのかご機嫌なのかレトさんは買い物カゴを持ち笑顔を浮かべ



｢さっ！好きなもん入れてええで！俺お金だけはあるからなあ！気にせんで入れてええからね！｣



私にそう言ってくるけど、いや、あの、気にしないでいいって言われても、5年以上前から好きな実況者にそんなこと言われて｢じゃあこれ買ってください〜♡｣なんて普通言える？

夢小説の夢主ちゃんは肝座っているし理想の自分を描いているから言えるけど現実世界の私じゃ無理！せめて大学生のときやっていたバイトのノリぐらいじゃないと人にオネダリするの難しいんだって

でも嬉々としてカゴまで持っているレトさんに謙虚し過ぎるのも悪いかと思い、悩んだ挙句お気に入りのプリンを1つ入れた



｢えっ！プリンもっと買ってええよ？！好きなやつ全部買い！チョコとか明日食べる用にとか買わんでええの？アイスは？要らん？あっそういやあったかいコーヒーって言ったけどココアとかの方がええ？！｣

｢いや、そんな買って貰う訳には……｣



けれどレトさんはそれだけじゃやっぱり足りないらしく目を丸くして驚き他にも色々催促してきた、あれはこれはと言ってくるレトさんに謙虚な姿勢でいると少し拗ね始めて




｢……俺は甘やかしたいんやけどなあ｣




なんて言ってくる。これは何回も夢小説で読んだ無邪気で可愛いタイプのレトさんだ……！そういえば数年前はこういうレトさんに何回も落とされてきたなあ、なんて思っていると、いきなり隣に居るレトさんがあ！と声を上げた



｢てか俺結局名前聞いとらん！｣
｢えー、今更言うの恥ずかしくないですか？｣
｢ええやん！だって綺羅璃さんは嫌なんやろ？｣
｢嫌です｣



そういえばキヨさんには名前教える形になっちゃったけどまだレトさんには何にも言ってなかったんだっけ

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