【rtrt】夢小説みたいな恋がしたくて夢小説書いていたけれどそれが現実になったら正直たまったモンじゃない《 完結 》

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｢なに飲む？レモンサワー？｣
｢や、今日お酒は……｣
｢じゃ、レモンスカッシュとかにしとくか｣

結局決めんのも面倒になって俺がよく行く焼肉屋、席に着いて早々適当に頼み飲み物が届くとAがいきなり俺に封筒を渡してきた。多分タクシー代と呑みのお釣りとかいうやつ

まあ受け取る受け取らないのいたちごっこするよか受け取った方が良いだろ、と思い受け取ると、Aは神妙な面持ちで真っ直ぐ俺を見る

それだけで今日Aが酒を呑まない理由は分かった、あー、なに？今日そういう日？



｢聞きたいこと、あるんですけど｣
｢俺に？｣



俺がそう言えばAは気まずそうな顔をして言葉を選び始めようとした。どうせレトさんのことだろうとは思ったけど流石にこの言い方は意地悪だったか



｢答えられる範囲ならいいけど｣



改めてそう言うとAは確かめるように言葉を噛み締めながら、あの日、なんで俺があそこに居たか、どうしてあそこにAが居たことが分かったのか、泥酔してることまで分かっていたのか

とかそんな質問をしてきた

つか、それこの前答えたじゃん、まじで覚えてねえんだな。そう笑いながら言いたくなる気持ちを抑えて俺はもう1度あの日と同じような言葉で返事をする



｢心配性の誰かさんに頼まれたんだよ｣
｢誰かさん、って誰ですか？｣
｢そこまでは言えねえけど、検討ついてんだろ？｣
｢ついてると言えば、ついてますけど、でも｣
｢じゃー、そうなんじゃね？｣



確信じゃねえのは、何で教えてもいない情報をその誰かさんに把握されているのか分かんねえから、か？


｢1つだけヒントやるよ｣


ヒントっていうか、ただ疑問に思わなかったのか？っていう確認みたいなもんなんだけどAは目を見開いて俺の話に食い付く。事実の復習ぐらいはしといてやるよ、ここまで巻き込まれちゃあな



｢普段、俺らってあんま外でねえし出たところでタクシーばっか使うんだけど｣



なんであの日、いつもなら絶対自分から呑みの誘いなんかしねぇのになんで珍しく自分から呑み会を開いたのか、なんであの駅が最寄りの居酒屋だったのか

なんで呑み会帰り｢キヨくんたまには電車で帰ろうよ｣って面倒なこと言ったのか、｢ねえ、俺今日酔っとるから大目に見てね？｣とか予防線を張ったのか



｢初めてお前に会った日、なんで駅のホームなんかで会ったんだろうな？｣



白々しくお前との切っ掛け1つでも作ろうとしてたの見てて面白かったんだけどな

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