【rtrt】夢小説みたいな恋がしたくて夢小説書いていたけれどそれが現実になったら正直たまったモンじゃない《 完結 》

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完全に二日酔いの頭を抱えて目を覚ませば硬いラブホのベッドの上に私は居た。えっ、昨日私なんかやらかしたっけ……？

元バ先で阿呆みたいに呑んでたことは覚えてるんだけど適当なナンパに着いてった覚えもないし誰かを呼び付けた記憶もない。一応誰かに迷惑かけてないかLINEを開くけど特にこれと言ってLINEを送った形跡も無い

けど、LINEの1番上のトークにはキヨさんから何かメッセージが送られてきていて恐る恐る通知の溜まったトークをタップする



｢テーブルのとこにタクシー代おいてあっから｣
｢お前記憶あるか知らねえけどまじで寝ただけだから｣
｢そこ10時までだから気を付けろよ｣



慌ててテーブルの上を見に行けば諭吉さんが5枚、綺麗に並べられ置かれていた。嘘でしょ

どう考えたって多過ぎだし、私またキヨさんに介抱されてるし、ていうかここ何処か分からないけどこの時間なら電車動いてるしタクシー代もいらないって！

｢タクシー代なんて貰えません！｣と送ればすぐ既読がついて｢ホ別ゴムあり5万なんて言ってたの誰だよ｣と返事が来る




その言葉で何となく、昨日のことを思い出してくる

勿論ハッキリとは覚えてなくて全部断片的になんだけど、元バ先で呑んでて、気付いたらキヨさんがいて、車乗せられて、キス、うん、キスはした気がする

酔いの勢いとはいえキヨさんとまたキスしちゃった。だってあんなノリになるってことは私相当酔ってたと思う。いや、うん、やったな、これ




とりあえずキヨさんに｢もう電車動いている時間なので今度タクシー代お返しします！何から何までお気遣いして頂き有難う御座いました！｣とLINEを送りスマホをベッドに投げ洗面所に向かった

キヨさんも寝ただけって言ってるし本当にただ寝ただけだと思う。眠いなかシャワー浴びたようなそんな気はするけどそのあとのこと本当に何も覚えてないし

多分キス以上のことは何にもしてない、はず

ぽたぽた、と水滴を垂らしながら鏡にうつっている私は誰がどう見たってキヨさんが好きな女優さんやアイドルとは程遠い地味な顔立ちだし

それでも





｢レトさんが知ったらまた怒るんだろうな……｣





ぽつり、呟いた言葉に自分で驚いて手で口を抑えた。なんで、いまレトさんの名前が出たんだろう、って

もう連絡なんて来ないのに

無意識のうちに名前を口にしてしまうほど、私の中のレトさんという存在が【実況者レトルト】を慕う気持ちを上回り大きくなりすぎてしまった、から？

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