【短編】道端に咲く花【実l況l者】

愛されたいと願った僕が居た【hr】 ページ15

▽





｢そうしたら、悲しい思いなんてしなくて済んだじゃない？｣




それだけ言って少女は俺の前から消えていった、一体あの子は何者だったのかともう一度冷えた芝生に寝転ぶと硬いものが背中に当たった。

拾い上げたそれはブロンズのネックレスだった、あとで交番にでも届けるか、そう思ってスーツのポケットに入れる。

人生をやり直す、若いのにそんなことを考えるのか、最近の子はネットの普及が早いせいか何処かマセているこが多い気がする。





でも、もし、俺が人生をやり直すとしたらどこからやり直すだろう。





転職、就職、大学、高校、中学、やり直したい分岐点だって勿論たくさんある、もしも親が離婚しなかったら、もしも彼女を好きになっていなかったら、


とか……。


そう思っていると自分の今までがちっぽけに見えてきた。


もしもあのとき違うことが起きていれば今の俺は彼女もいて親に愛されていて愛することの出来るもっと素敵な人間になっていたかもしれない




｢……愛、ね｣



そういえば、少し似ていたような気がする。昔好きだったあのこに。



｢はっ、｣


目が覚めるとそこは家のベッドだった

見慣れた風景に慣れて来るとさっきまでの出来事は全て夢だったのかと自分で自分のことを笑うことが出来た、でも頬が濡れていた、瞬きをするたびに何か熱いものが頬を伝う。

窓の外を見ると、少し星が近く感じた。

愛、とは一体何のか、愛することは出来ないくせに愛されたいと願ってしまった、人生をやり直したい、その希望が愛されたい証拠だ。
▼▼▼

ここまで書いてまた来年後半書くって言ってあげた友達との付き合いが切れたので完全に放置してました。自分の仕事が落ち着いたらまた続き書くかもです。

11月末の平日【hr】＊→←愛されたいと願った僕が居た【hr】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す