【ab】りんご系少女は今日も髪を揺らす《 完結 》

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ハァ、と溜息を吐いた





なんで俺は好きでもない女の子のことを
遊園地のチケットなんて持って
緊張しながら待っているんだろう

もしかしたら昨日のこともあって
俺といたくないかもしれないのに
俺と話したくないかもしれないのに

1年生が出てくる昇降口で
もう何回目か分からない溜息を吐いて
Aちゃんももう帰っただろう
と理由付けて上履きの踵を返す









｢あ！アブ先輩！お久しぶりです！｣

｢ん？はすお〜！｣

｢こんなところでどうしたんですか？｣







コテンと何の違和感もなく首をかしげて
質問してくるはすおは俺の可愛い後輩

2年ぶりに会うはすおは身長も伸び
俺との距離が近くなった気がする
相変わらず童顔で生意気だけど







｢んー、待ってる人いたんだけどね
もう帰っちゃってると思って俺も帰るところ｣

｢そういえばこないだのどうなりました？
あら待ってる人って森戸さんですか？｣

｢そう、流石はすお勘が良いよね〜｣







そう言ってポンポンと頭を撫でると
｢子供扱いしないでくださいっ！｣
って手を払われた

昔もこんなこと言われたな〜
なんて思い出に浸かっていると
コホンと咳払いをされた








｢森戸さんなら教室で泣きそうになりながら
新入生テストの数学の赤点課題やってますよ｣

｢なんではすおが知ってるの？
まさかAちゃんのこと好きなの？｣

｢違います！同じクラスなだけです！
アブさん何でも出来ますよね？
可哀想なんで教えてあげたらどうですか？｣









確かに昨日のことが気まずくならずに
話せるかもしれないし








｢はすお何組？｣
｢3組です｣
｢え、トップクラスじゃないの？｣

｢1年生はまだ分からないので
毎年1年はエリートコースの中でも
ごちゃまぜじゃないですか｣









ちょっと馬鹿にするように鼻で笑われた
良いじゃん、2年も前のことなんて覚えてないよ

じゃあね。とはすおに別れを告げると
ではまた。とお辞儀をされた

またはすおとゲームをしたいな
そう思って1年3組の教室に向かった

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