【ab】りんご系少女は今日も髪を揺らす《 完結 》

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｢あ、どうも……｣







そう言って会釈をするAちゃん
噂をすれば影がさすなんてよく言ったものだ
本来は影口をするな。って意味合い何だけどね

セピアさんは初めて会うから
ジロジロとAちゃんを見ているけど

注目を浴びているAちゃんの顔は
しどろもどろしていて
さっきよりももっと赤くなっている









｢Aちゃん！こないだぶり！
今日はどうしたのー？！！｣

｢や、えっと、その
クラス予算の資料を……｣

｢あ、忘れてた
もう他のクラス全部出てるから
うちのクラスが最後だったんだ｣

｢遅くて悪かったね！｣

｢いや全然！大丈夫だから！｣









コジマさんと話しているときは緊張しているのに
はすおと話すときは完全に素だよね

それに焦り始めるはすおも面白いけど
年下って可愛いよね、初々しくて

微笑ましく思っていると
Aちゃんと目が合った

途端に体が熱くなる
それはAちゃんも同じで
俺達のなかだけ夏が先走りしているみたい







｢熱いねぇ｣

｢熱いですねぇ｣

｢俺は親になった気分ですよ｣







もうお前らうるさい！
なんて八つ当たりしてしまいたいぐらい
漫画みたいな青春をしている気がする

一途に思うことは苦しくて辛くて
だけど恥ずかしくて楽しくて

俺のことを好きになって欲しくて
一生懸命自分を磨いている最中で
欲望なんて理性で押し殺せる







｢アブさんちょっと良いですか……？｣

｢うん……？｣

｢あ、はすお、これあげる
すみませんアブさんお借りしますね｣








そう言って手を握られ
生徒会室から少し早歩きで出て行った

そういえばさっき話してたこと
聞かれてたのかな
思い出すと気まずいし恥ずかしい

緊張して汗ばむ手が暑くて
だけどそんなこと気にしないぐらい









俺は君が好きなんだ

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