Atlas

旧友 ページ47

2人きりの帰路の車内はお互いに口を開くことなく
運転してもらっているから携帯をいじったり寝たりすることもできず
車窓をながめながらカーオーディオから響く洋楽を聞きながら家路に着いた






色々あって疲れているはずなのに、
翌朝は普段は絶対起きない早朝に目が覚めた



休日はいつも一人で家でゆっくりゴロゴロしていたけど、今日は登坂さんがいたら…と思うと家に居ずらい








気分転換に久しぶりに街に繰り出すことにした








すっかり流行に乗り遅れ、好きなショップに入るも中々これと言って決め手に欠ける






もう映画でも見ようかなって同ショッピングモール内の映画館に来てみると







「あれ？A？」


「あ！！久しぶり！！！」






あの二股クソ元カレとの共通の友人のELLYだった
ちなみにアイツが二股かけてた事実を教えてくれたのもこのエリちゃんだ






「元気してた？？」

「うん！アレ以来だね」

「そうそう。A携帯解約したでしょ？それから連絡つかないってみんな心配してたよ」






二股の事実を聞いてアイツと繋がってる携帯を見るだけでも嫌になって携帯新しく買ったんだっけ…






「俺の部屋にさ、Aの封印物置いたままだからそろそろ引き取ってくれない？」

「封印物？？そんなのあったっけ？」

「覚えてないとかひでぇー。あの日、これ封印しとくから。いつか笑って話せるようになったらまた取りに来るって言って俺の家に無理矢理置いていった箱。ずっと持ってるんだけど」

「まじ？全然覚えてない！笑。エリちゃん律儀すぎでしょ！」




そういうところがエリちゃんの好きな所でもあるんだけど、





「今から取りに行く？」




早速エリちゃんの運転する車に乗って荷物を取りに行くことにした






エリちゃんの家に着き、車の中で荷物を待っていると
１つの箱をもって戻ってきた






全く見覚えがない
封印物の事さえ記憶から抹殺してた私って…






このあと彼女と会う予定のエリちゃんは迎えに行くついでに家まで送ってくれるというので遠慮なく甘えさせてもらった





本当優男だ





運転しているエリちゃんと近状報告しながら
手元の箱を開けてみるが





私が着ないような清楚なワンピースに形がいびつなネックレスが見えた





「これ本当に私の？」

「ハハ。それ俺も当時のAに言ったよ」

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