速度特化と鬼の王。 ページ47
そして暫く歩き続けた末。
「お、ボス部屋かな?」
道中一つもなかった扉を見つけた。
五メートル程の大きさや施された装飾からも、そこが終点であることはよく伝わってくる。
「お邪魔しまーす」
「おー!」
中へと入る。
目の前には薄暗い闇が漂っており、しかしかなり広い空間となっているようであつまた。
高さや横幅を凌駕するほどの長さの奥行きの先、玉座が、そしてその上に一体の醜悪な巨大ゴブリンが鎮座していた。
座っていてもわかるほどの巨体である、それは先の扉程はあるだろう。
四人に気付いたゴブリンが咆哮を上げた。
「さっさと倒そう!」
「ちょっとうるさいしね……」
「うん、行こ!」
「オッケィ……!」
メイプルが盾を切り替えたと同時、Aの姿がぶれてサリーが飛び出した。
カナデは杖を構え、メイプルは盾を構える。
そして時を同じくしてゴブリンも立ち上がり、巨大なサーベルを手に取って立ち上がり、一歩足を踏み込んだ。
そして即座に振りかぶる。
唸りを上げて迫るそれに、メイプルが声を上げた。
「【カバームーブ】【カバームーブ】!【カバー】!」
まずサリーを経由、そして一瞬でAの隣に移動し、その大盾でもって凶刃を受け止めた。
結果サーベルは早々に飲み込まれ、メインウェポンが消失することとなった。
「ナイス!」
「よっしゃ!【跳躍】!」
大きく飛び込んだAの背後、誰も予想していなかった声が届く。
「【カバームーブ】【カバームーブ】【カバームーブ】!」
連続で庇うように移動してくるが、ゴブリンからは攻撃が来ていない。
「何それ……」
「【ストーム】!」
困惑するサリーの横、カナデが放ったのは成長した【風魔法】。
小さな竜巻がゴブリンを襲う。
それに怯んだ一瞬の隙に、Aが遂にそのリーチ内まで辿り着く。
「【カバームーブ】!」
そして無理矢理追い付いたメイプルが同じくその大盾の当たる圏内にやって来る。
「【フラッシュスピア】!」
「やぁっ!」
高速で放たれる二つの槍、そして振るわれるは全てを飲み込む大盾。
当然ながら大ダメージが入り、ゴブリンは苦しむ。
「あーもー滅茶苦茶するなぁ……w」
【カバームーブ】とは、と突っ込みたくなるところを堪え、サリーも一気に近付く。
振り下ろされた腕は横っ跳びで回避し、肉薄しては一発だけ入れて離脱する。
「どーだっ、この威力!」
計四割程減らしたところで、頭上からメイプルの自慢気な声が響いていた。
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時