速度特化と地下ダンジョン。 ページ45
「ほっ!」
入ってた早々に襲ってきたゴブリンを斬り捨て、一行は奥へ進んでいく。
「ゴブリン相手なら【白雪】にしておこっと」
「それがいいかな」
【悪食】の温存の為にも、メイプルは純白の盾に持ち変える。
内部モンスターは特筆すべき強さを持っている訳ではなく、むしろAやサリーらが十分に動き回れるだけの広さ故にどんどんと薙ぎ倒していった。
「……また分かれ道かぁ」
メイプルがうんざりしたように呟く。
アリの巣の如く入り組んだ構造をしたこのダンジョンでは、幾本の道が伸び続けており、行き止まりや小部屋もかなり存在している。
「どっちに行く?」
「うーん、ボスは下にいそうだから……右!」
「はいはーい」
階段を下る。
そのまま進み、広い部屋に入ったところで……
「あり、ちょっとヤバイか?」
響き渡るはボスと思わしき野太い咆哮、そして前後から不快な鳴き声がどんどんと近付いてくる。
「っ、誰がどっちに行く!?」
「メイプルは後ろだと思う、僕も魔法で食い止めるからそっちはお願い!」
メイプルは毒を扱う性質上、毒に触れれば即死してしまう貧弱二名と狭い通路で共闘するのはやや難しいところがある。
「よーし!」
「殲滅戦だな」
「んじゃ、ちゃっちゃと片付けますか」
「そうだね。【サイクロンカッター】」
カナデが放った風の刃が火蓋を切った。
一番近いゴブリンを怯ませた直後、メイプルが短刀を抜く。
「【毒竜】!」
放たれるは、誰一人逃すまいと暴れる毒の竜。
消費の激しいメイプルは短期決戦でいきなり決めないと不利になってくる。
……のだが。
放たれた毒竜はしかしゴブリンの手前に張られた障壁により防がれる。
見れば、最後尾の杖を構えた三匹のゴブリンが、全員肩で息をしている。
いくら【INT】0でも、毒竜の基礎ダメージは大きい。
そして、当然ながら毒竜の被害はそれだけではない。
跡に残る毒沼。
それが今のメイプルの最大の武器である。
反撃しようと踏み込んだゴブリン達は、その劇毒に飲まれ次々と光になっていく。
しかしそれすら足場にし、メイプルとカナデを攻撃せんと走り続ける。
彼らはただ王の命令に従い行動する傀儡に過ぎないのだ。
……が。
「【ファイアウォール】【ウォーターウォール】【ウィンドウォール】【サンドウォール】【ダークウォール】【ライトウォール】!」
カナデが次々に展開する魔法の壁に阻まれ、
「【シールドアタック】!」
メイプルの盾に弾かれ毒沼に突き落とされる。
カナメイの防御力はかなり厚いのだった。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時