なんか推しカプが既にくっ付いてたので敏捷に極振りして見守りたいと思います。2

速度特化と開幕。 ページ43

｢さーてと、いよいよイベントか｣
｢緊張してない、メイプル？｣
｢うんっ！ 皆一緒だから大丈夫！｣
｢えん、楽しもっか｣

そうして会話する四人の周りには、当然ながら目立つ一同をチラチラ見る、イベントの開始を待つ面々。

プレイヤーの数は次第に増えていき、多種多様な装備に身を包んだ人々が広場を埋め尽くしていく。

今日は第二回イベントの開催日。

初めて四人で迎えるイベントである。

｢人いっぱいだなぁ……ってあ！｣

辺りをきょろきょろと見回すメイプルが、人混みの中に何かを見つけた。

若干ダウン気味のカナデも、そして少し遅れてAもその存在に気が付き移動する。

｢お久しぶりですクロムさん！｣
｢どーもー……お久し振りだね｣
｢うーす｣
｢お、お前らか。久し振りだな。｣

三人が声を掛けたのはクロム。
彼もしっかり準備を整えてイベントに臨む気概のようだ。

｢……えーと、メイプル？ この人は……？｣
｢あ、サリーは初めましてかぁ。クロムさんって言ってね、初心者の時の私達に色々教えてくれたの！｣
｢あぁ、成程……｣
｢いや、まあ……特に何も……怪しいことしてAにどつかれただけだが……｣
｢すんません｣
｢あはは……｣
｢お互い頑張りましょう！｣
｢おう！ お前らなら絶対に良い結果を残せるはずだ｣
｢どうもー｣

話を済ませたところで、広場上空に一体のマスコットが姿を見せる。

｢ドラ〜！ 今回のイベントは探索型ドラ！ 目玉はフィールドに散らばる三百枚の銀のメダル！ 銀メダルは十枚で金メダルに、金メダルはイベント終了後にスキルなどに交換出来るドラ！｣

表示されたステータス画面に映し出されたのは、三人にとって見覚えのある金、銀のメダル。

｢ねえこれ……｣
｢うん。この前のイベントの……｣

どうやら第一回イベントの入賞者は始めから金メダルを有しておるようで、これらのメダルはキルすることで奪えるとのこと。

無数に散らばるメダルや装備を探すもよし、プレイヤーを倒してメダルを奪うもよし。

メダルを落とすのは｢他プレイヤーにより｣死亡した時で、装備品などは落とさない。

つまりモンスター相手に死亡したりしても問題は然程ないのであふ。

｢今回の期間はゲーム内で一週間、時間加速のためゲーム外だと二時間になるドラ！ フィールドには安全地帯があるから活用してほしいドラ！｣

説明が終わったのか、次々とプレイヤーが消えていく。

｢よし……頑張ろう！｣
｢｢｢おー！｣｣｣

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