防御特化と魔術特化と天の川。 ページ42
「「いただきます……!」」
意を決してそれを口に運べば、パチパチと弾けるような不思議な食感と共に、これまた味わったことのない不思議な味が広がる。
「ん……不思議な味……」
「美味しい、けど……」
「イチゴとミカンとリンゴをいっぺんに食べたみたいな……? うーん?」
「あーね、でも割と的確だと思うよその例え」
熱いような冷たいような、甘いような酸っぱいような辛いような、相反するものが口の中で複雑に絡まり合い広がる。
少なくとも現実にはありえないものだ、とメイプルらが珍しく感じてあるところで、カナデがいち早く異変に気付いた。
「……! ねえメイプル!」
「……? どうしたの?」
「えっと、髪……! メイプルの髪光ってる!」
「うぇっ!?」
メイプルがインベントリから取り出した手鏡に写っていたのは、星のように煌めく髪であった。
「ええっ、どういうこと……!?」
「……ひょっとして」
そのグラスを手に取り、カナデはそれを飲み込む。
やはり奇妙な味だ。
「わっ……! カナデ! 目の色!」
「おっ?」
メイプルに手渡されたそれを見て自身の姿を確認する。
そこに写っていた自身の瞳には、青と黄色のオッドアイが輝きを見せていた。
「やっぱり……食べたら見た目が変更されちゃうんだね」
「なるほど……ってあれ?」
そして煌めく髪と瞳をそのままに食べ終えたところ、机のプレートの文字が変わっていく。
「【ご来店ありがとうございました。今回は隠し味を入れすぎ失敗作となってしまいましたが、またお越しください。こちら、お詫びの品となります】……失敗作だったんだねぇ」
「あー」
そして机に置かれたのは、二つの瓶。
その中には星空が浮かんでいるような、今回の料理に似たものが入っていた。
「んー、これも見て楽しむ用みたいだね」
「そっかあ……でも綺麗!」
「だね」
後に二人で調べた話だが、どうやら低確率で成功することがあるらしいのだが、まあ……
「……また来る?」
「うーん……カナデとなら行くけど……そうだ! 次はサリーとAも連れてこようよ!」
「いいねー」
なおその数日後、無理矢理デート()させられた二人はやっぱりド派手な髪と目となり騒いでいたのだという。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時