なんか推しカプが既にくっ付いてたので敏捷に極振りして見守りたいと思います。2

防御特化と魔術特化と星降るレストラン。 ページ41

｢ん、着いたね｣
｢おー、ここ？｣

二人が見上げる先にあるのは、大きく口を開ける洞窟、この先に広がる階段であった。

｢登ってくよ｣
｢はーい！｣

元気よく声を上げたメイプルと共に、長い螺旋階段を登っていく。

｢にしても……今日は空いてるね、よかった｣
｢えっ、ここそんな人気なんだ？｣
｢そうそう、結構有名な観光地らしくてね｣
｢へえ……じゃあ私も今度調べてみる！｣

そう意気込むメイプルに頑張れと返していると、ようやく一番上まで辿り着いた。

打って変わって広がった、満点の星空。
穏やかな風が髪を揺らし、静かに二人を歓迎する。

｢ここは……？｣
｢崖の上だからね、一応落ちないでよ？｣
｢あ、うん！｣

足場を確かめながら中心を目指したところ、一つ照らし出された物が。

それは一つの綺麗な木製テーブル、そして向かい合うよう置かれた二つの椅子に、二つのワイングラスとナイフ、フォーク、美しい白の皿。

そして中心には火の灯らない燭台があった。

｢えーと、座る？｣
｢うん、座って座って？｣

特に何か言葉を交わす訳でもなく、同時に背もたれを引き座る。

その瞬間、燭台に火が灯った。
そしてふわりとワイングラスが浮き上がったかと思えば、空から紺色の何かが糸を垂らすように二つ落ちてきた。

それらは二人のグラスに注ぎ込まれていく。
半分ほど溜まったところで、グラスが二人の目の前に戻る。

｢わぁ……！｣
｢へぇ……綺麗だね｣

そこにあったのは、小さな星空。
神秘的な光景に見とれていると、今度は皿が浮かび出す。

蝋燭の火が弾け、二つの炎が回転し綺麗な球体となって皿の上に静止する。

更に空から二つの雫が落ちてくる。
か弱い光を放つそれは、同じようにくるくると回転して、それぞれ小さな黄色と青の球体となる。

赤、青、黄色の三つの並ぶ不思議な料理を並べていると、二人の間に一つのプレートが出現する。

｢えーと……【小さな星空】……｣
｢ん、【どうぞ、お召し上がりください】だって。食べる？｣
｢うん！｣

少し悩みつつ、何とか食べてみようとナイフとフォークを伸ばした。

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