速度特化と速度の解放。 ページ4
「はぁっ!」
「おっと…あっぶな」
スキル無しで振られた剣を回避し、槍を打ち込むがこれも決定打にはならない。
NWOにおける攻撃スキルというのは、基本的には決められた行動をなぞっているに過ぎない。
故に軌道が決まっており、やろうと思えばピクセル単位での回避も不可能ではない。
また、Aのように自在に高速で動き回る相手に直撃させることも非常に難しい。
故に、かなりの上位かつ機動力を重視するプレイヤー同士の戦いではスキルを使わない身体能力と反射のみの純粋な斬り合いとなることが殆どであるのだ。
まぁ、今のAのように素の火力が無さすぎても話にならないのだが。
…膠着状態は続き、気付けば残り時間は十分を切ろうとしていた。
「くっ…面倒だな…!こうも攻撃が当たらなくては…!」
ペインからの攻撃は当たらず、Aからの攻撃は微弱過ぎてペインの持つ膨大なパッシブスキルにより自動回復されてしまう。
…ここで、Aが戦局を変えるために動いた。
「…切るか。【ハドロンエンジン】起動」
その詠唱を皮切りに、Aの体に多種多様なエフェクトが輝き始める。
その全てがAのAGIを上昇させるものであり、彼の切り札。
そして彼の身に纏う装備が光り出し、近未来的な模様を写し出す。
起動されたそれはバチバチと音を立てながらAの両手に収まっていた。
「【コネクト】!」
目覚めた技術が迸り、未来の姿を描くように変容していく。
二本の槍は接続されて合体し、双槍を形作る。
「なんっ…!?切り札か…!」
その姿に一瞬驚くも、即座に立て直し武器を構える。
一気に飛び出したその体はそこに残像を残し、構えた盾も振った剣もすり抜け一瞬でペインの背後に肉薄していた。
「なっ…」
「【デュアルブレイド】!」
双槍による二連撃。
それはペインの無防備な背中に直撃し、その体力を合計で七割ほど吹き飛ばした。
「…!?何だこの火力は…!?」
おかしい、明らかに今までと火力が違い過ぎる。
自身の防御力を以てしても、受け切れない。
「…オッラァッ!」
「ぐっ…!」
何とか続く一撃を盾で凌ぎ、一瞬でポーションを飲み干し回復する。
「はは…!異次元だな…!」
「十分でケリつけてやらぁ!」
初めて現れた、圧倒的な実力の能力を誇る相手に、ペインの顔には自然と好戦的な笑みが浮かんでいたのだった。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます!!お互いに頑張りましょう!! (6月21日 8時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです!自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう! (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね!!あと、書くのが上手すぎます!!それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか?お願いします!!これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます!これからも更新続けていくのでよろしくお願いします! (2023年5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです!めっちゃ大好きです!!更新とか頑張ってください!! (2023年5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:No.
作成日時:2023年2月25日 15時